「インフレ」という現象が定着してきた日本。けれど、インフレ、デフレの違いをうまく子どもに説明するのは意外と難しいもの。今回、『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社刊)の著者であり、親子向けの金融教育セミナーを行うFPの谷口達也さんに、「インフレ」の基礎知識と向き合い方を教えてもらいました。

※ この記事は『10歳の子どもには毎週1000円渡しなさい』(飛鳥新社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しています。

お菓子を選ぶ子ども
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インフレとデフレ、子どもに説明できますか?

日本の学校での金融教育は、2022年春から始まったばかり。アメリカやヨーロッパなど海外の先進国に比べると、日本の金融教育は遅れているといえます。

金融広報中央委員会の「金融リテラシー調査(2022年)」によると、金融教育の遅れは、金融知識の正誤問題にも現れています。なかでも「インフレ」の定義について、イギリス、ドイツ、フランスの正答率が79~85%なのに対し、日本はそれより低い63%でした。

今は世界的にインフレの時代です。子どもの将来の資産形成のためにも、やはり今、いちばん理解しておかなくてはいけない金融概念は「インフレ」でしょう。

あなたは子どもに聞かれたら、インフレ・デフレをどう説明しますか?

インフレの正しい知識は、財産を守ることにもつながる

シンプルにいうと、インフレとは物価が上昇すると同時にお金の価値が下がることです。
1995〜2024年までの30年間のインフレ率を日本、アメリカ、イギリス、ドイツで比べてみると、驚くことに、日本以外はほぼ毎年物価が上昇する、インフレ率がプラスの状態が続いています。

厳密にいえば、2009年のみアメリカもマイナスになりましたが、これは前年のリーマン・ショックの影響が考えられるでしょう。ただ、それ以外はプラスとなっていますし、イギリス、ドイツに至っては一度もマイナスとなっていません。

ひるがえって日本ですが、30年間のうちインフレ率がプラスにならずに0%以下だったのは、全部で16年もありました。なんと2年に一度です。

これではインフレについて、よくわからないという方が多いのもうなずけます。

●日本でデフレが続いたのは「異常事態」だった

このようなデータから、インフレがいかに先進国では一般的であり、デフレが続いた日本が異常だったかわかるのではないでしょうか。

たとえば、インフレになると、物やサービスの価格が上がります。そのため、企業の売上が増えて業績がよくなり、賃金がアップ。購買意欲が増して、物価がさらに上がり…と経済状況の好循環が生まれやすくなり、どんどん活性化します。

一方、デフレになると物やサービスの価格が下がるため、企業の売上が減って業績が悪くなり、賃金もダウン。購買意欲が減って、さらに物価が下がり…。こうした悪循環を「デフレスパイラル」といい、経済は停滞します。少し前の日本で、よく聞かれた言葉ですよね。

そう、日本は長い間、デフレ状態でしたが、最近やっとインフレ傾向に転じたのです。
もちろん、インフレにもデメリットはあります。