2023年に、ロシア人の夫と3人の子どもとタイ・プーケットに移住した漫画家のシベリカ子さん(41歳)。リゾート地としてのイメージが強いプーケットですが、暮らしてみて気づいた子育てのしやすさや住みやすさ、また日本とのギャップについて話を伺いました。

漫画家のシベリカ子さん
漫画家のシベリカ子さん
すべての画像を見る(全12枚)

夫の提案で3人の子連れでプーケットに移住

東京に暮らしていたシベリカ子さんが、家族全員でタイ・プーケットに移住することを決めたきっかけは、夫であるP氏からの提案でした。

「子どもが増えて、それまで住んでいたマンションの部屋が手狭になってきてしまって。P氏に相談したところ、『プーケットに住めばいいじゃない?』なんて言われたのが始まりでした」(シベリカ子さん、以下同)

バンコクなどタイのほかの都市ではなく、プーケットを選んだのは、子どもに多言語の教育ができる環境が整っていたのが魅力的だったからだといいます。

「インターナショナルスクールも増えていて、教育面の選択肢が広がったのが大きかったです。なにより都会にくらべて、のんびり暮らせそうだなという雰囲気もあって、家族みんなの暮らしやすさを考えたときに、ちょうど条件が合ったんです」

漫画
夫・P氏の提案でプーケットが移住先の候補に

移住という思いきった決断に対し、日本を離れる前にはもちろん不安もあったそう。そのときの気持ちをこう振り返ります。

「じつは最初は、私だけ先に帰国するかも…なんて考えていました(笑)。プーケットはクルマ社会なんですけど、免許をもっていないですし、日本ではバスや電車でどこでも行ける場所にばかり住んでいたので、適応できるか心配で。でも、いざ暮らしてみたら、『これはこれで悪くないのかな』と思えるようになりましたね」

社会の寛容な空気に気楽さを感じるように

漫画
赤ちゃん連れでトラブル発生。現地の人の優しさに感動

移住後、まず実感したのは日常の空気の違いだったといいます。なかでも印象的なのは、子どもに対する温かいまなざしです。

「タイに来て間もない時期に、赤ちゃんと二人きりのときにトラブルに遭ったのですが、周囲のタイの人がとても親切に助けてくれて。子どもや親子連れへの優しさは日常でも強く感じますね」

シベさん自身も、子ども連れで過ごすときのプレッシャーが減ったという感覚があるといいます。

「日本では、お店で子どもが大きな声を出してしまったとき、『静かにさせなきゃ』と過度に焦ったり、迷惑に思われていないか萎縮してしまったりしがちでした。タイでは、周囲の人が『元気だね~』とか『ハイタッチしよう』と、すごくフレンドリーに接してくれるので、本当にありがたいなと思っています」

社会全体の優しいまなざしのなか、子どもたちも「のびのびしすぎているぐらいかもしれません(笑)」と、話すシベさん。マンション住まいだった頃に比べて、自宅でもアクティブに活動するようになったと、変化を感じているそうです。

プーケットのビーチで遊ぶ子どもたち
プーケットのビーチで遊ぶ子どもたち

外国からの移住者も多いプーケット。ロシア人の父、日本人の母と、多様なルーツをもつシベ家では、家族の見た目が「特別」になりにくいことも「気持ちがラク」だといいます。

「プーケットは本当にさまざまなルーツをもつ人が多いので、『どこの出身だろうが全然気にしない』という感じなんです。日本では、子どもと私だけで一緒にいると、『お父さんはどちらの国の方ですか?』と聞かれることがありました。そういうときは、『ああ、親子で見た目が違うから不思議に思われちゃったんだな』と感じていたんです」

プーケットでは、そういった質問をされたことは一度もないそうです。

「ミックスルーツの子どもが本当にたくさんいますし、だれも気にしていないようです。そういう意味でも気軽に過ごせて疲れにくいですね」