60代からの暮らしの変化で感じていた「孤独」

パソコンを見る女性
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思えば、会社員時代は、毎日だれかしらと会話をしていました。職場での打ち合わせ、たわいもない雑談。しかし、退職してフリーランスとして起業。そこから1年後にはコロナ禍となり、リアルで人と話す回数は激減。ZOOMでの会話にきり替わりましたが、それも会社員時代とくらべたら、量はぐっと少ないものです。

おまけに、ひとり暮らしを始めた私にとって、「今日言葉を交わした相手は、飼っている犬だけ」なんて日も珍しくありませんでした。

そんな孤独を感じやすい生活のなかで、自然と身についたのが「自分から声をかける」という小さな習慣でした。

●やってみて気づいた、自分から声をかける「メリット」

犬の散歩をする女性
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「でも、知らない人に話しかけるなんて勇気がいる…」

そう思われる人もいるかもしれません。私も若い頃は、店員さんに話しかけられるのも正直、煩(わずら)わしいと思うタイプでした。

しかし、ひとり暮らしで人と話す機会が減ると、この考え方が少しずつ変化していきました。そして、少しの勇気を出して自分から声をかけるようにしてみると、意外な発見があったのです。

声をかけるといっても、挨拶程度。よく行くカフェで「おはようございます」「こんにちは」と笑顔で挨拶したり、商品を受け取るときに「ありがとうございます」とひと言添えたりするように。

すると驚くことに、今ではなにも言わなくてもお水のグラスを出してくれるように。

また、趣味でやっている畑仕事で利用している貸し農園では、隣の人に「今日はいい天気ですね」、犬の散歩をしている人に「かわいいですね」などの声かけをしています。

たわいもないひと言ですが、そこから話が弾むきっかけになります。

そして、ささやかな世間話程度ですが、続けていると不思議なことに顔見知りが増えていきます。定食屋さんのホール係さん、カフェのスタッフさん、農園仲間、犬の散歩仲間…。

かつては「知らない人に話しかけるなんて…」と思っていた私ですが、「人は、声をかけられると案外うれしいものなのだな」と感じるようになりました。

「小さな声かけ」で日常がほんのり温かくなる

ひとり暮らしは、たしかに自由で身軽な暮らしです。しかし、その分、ふと心細さや孤独を感じることも。でも、そんな時間があるからこそ、人とのささやかなやりとりが、以前よりもずっと温かく感じられるのかもしれません。

私にとって、ひとり暮らしは「自分から世界にドアを開く練習」です。

だれかと一緒にいれば、かき消されてしまいそうな日常の小さな1コマも、ひとりだからこそ、自分自身が世界とどうつながるかを発見するきっかけになる、と感じています。

もし、ひとり暮らしで少し寂しさを感じたら、「小さな声かけ」を始めてみると、日常がほんのり温かいものに変わるかもしれません。