好きなものこそ、勇気のある手放し方を

棚に収納された食器
以前は100%つまっていた食器棚。取り出しやすい今が適量
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自分の暮らしのなかで、増え続けるものはなんなのか。それを把握して、手放し方を決めておくのも、工夫のひとつです。

「私の場合、どんどん増えていくのは器、洋服、そして本です。器が増えたら、家に人を招くときに『ご自由にお持ち帰りください』という箱を用意しておきます。洋服も、もらっていただいたり『古着deワクチン(※1)』に出すことも多いです。本も『チャリボン(※2)』というサービスを使っています」

「寄付」をするという意識が捨てる罪悪感をなくし、「捨てる勇気」をあと押ししてくれるのだそう。

取材でギャラリーや作家の元を訪ねた際に、憧れていた器をひとつ手に入れるのが、自分へのごほうびだったという一田さん。一時期は、食器棚の中が器でいっぱいでした。

「勇気を出して半分に減らしたら、食器棚に隙間ができて、出し入れがラクになったんです。ものが多いと大変なんだと、実感したできごとでした。心地いい暮らしを、ものがじゃまするようになったら、見直しどきです」

●「今の私に合っているか」が基準に

なにを手放せばいいかも、「自分の暮らしを見つめること」で、判断しています。

「たとえば器なら、以前はいろんな器を食卓に並べるのが好きでしたが、最近は夫も私もあまり量を食べなくなったので、ワンプレートに少しずつ盛りつけるのを楽しんでいます」

洋服も、どんなにかっこよくても、重いコートには手が伸びなくなったそう。

「気に入って買ったものを手放すのは惜しい気持ちもあるけれど、使っていないものには、それなりの理由があります。今の私の暮らしに合っているかどうかを大切にしたいです」

※1 不用になった衣類を寄付することで、世界の子どもたちにワクチンが贈られるサービス

※2 本の買取販売の「VALUE BOOKS」が行っている、寄付された本をNPO・NGO団体などの活動資金に換えて支援する取り組み