共働きで収入は2倍のはずなのに、なぜかお金が貯まらない…。そんな悩みを抱える家庭は少なくありません。お財布をどう管理するか、夫婦間の不公平感をどうなくすかなど、課題は山積みです。今回、ファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんに、共働き夫婦の「お金の貯め方」と「よくある失敗」について、話を伺いました。

共働き夫婦
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Q.共働き夫婦の家計管理。財布は「一緒」と「別々」、どっちがいい?

共働き夫婦は収入源が2つあるので貯金しやすいと思われがち。しかし、実際のところ、そうでもないケースもあるようです。

たとえば、40代で未就学の子どもがいるTさん(仮名)は、自身も夫もフルタイムで働く共働き夫婦。夫婦で財布をまったく別にして、費目ごとに担当を決める「費目分担制」をとっています。貯金も完全に別々にしているため、お互いがどれくらい貯めているのか把握できておらず、なんとなく話し合いもしないまま、結婚6年目に突入。「子どももいるのに、このままで大丈夫?」と、最近考えるようになったそう。

●A.不公平感がなければ、どちらでもOK

実際のところ、夫婦のお財布は別々でよいのか、それともひとつにまとめた方がいいのでしょうか? 塚越さんによると、「家計の管理の仕方に『これが正解』というものはないので、ご家庭に合わせていろいろな形があっていい」そう。ただ、注意点もあると言います。

「夫婦それぞれが『不公平だ』と感じていないことが非常に大切です。『自分の方が多く出している』とか、金額の負担は同額でも『私の方が家事も育児もしてるのに…』とモヤモヤするのであれば、すぐにやり方を変えた方がよいでしょう」(塚越さん、以下同)

お金の「見える化」で、夫婦の危機を防ぐ!

お金の見える化
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もし、夫婦のどちらかがお金のことでモヤモヤを感じている場合は、どうやって解決していけばよいのでしょうか?

「『自分ばっかりお金を出している』という不満をそのまま相手にぶつけてしまうと、『僕/私の稼ぎが少ないって言いたいの!?』と、相手も感情的になってしまうことも。まずは、イチにもニにもお金の“見える化”から始めましょう」

●お金の“見える化”とは?

具体的な数字をきちんと出して話し合いをすること。

「共働き夫婦は、入ってくるお金の窓口が2つあって口座も増えがちなので、結局、全体でどれくらい払っているのかが、見えにくくなる傾向があります。見えない状態では話し合いもできません。まずは、月の収支を書き出しておくなど、数字で『見える化』をすることから始めましょう」

●「今は困ってないから」は危険信号

また、今の時点でお金に困っていなくても、「相手がどれくらい貯めているか知らないままだと、将来大きな出費があるときに困る可能性もある」と、塚越さん。

「たとえば、子どもの中学受験で、塾の費用で100万円かかるとか、学校の入学金で50万円払うなど、突発的に大きなお金が必要になったときに、『えっ、どっちが出す?』となってしまう。今は困っていないから、と放置するのは危険信号。“見える化”の必要性に気がついた今こそが、改革するタイミングかもしれません」