更年期、最も大事なのは「恐れないこと」

メディアの影響や年上の女性から更年期障害のつらい話をたくさん聞いて、「私は更年期、どうなっちゃうんだろう…」と漠然とした不安を抱えている方も多いと思います。

閉経も更年期もすべての女性が迎え、いつか終わります。60代以降の女性たちを見ると、更年期を乗り越え、心も体もアクティブになっていく方もたくさんいらっしゃいます。

温泉旅行PIXTA
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正しい知識をもって正しく対処すれば、更年期に対して必要以上に恐怖心を抱く必要はありません。女性ホルモンを補う「ホルモン補充療法」(HRT)や漢方薬など、うまく乗りきるための治療法もたくさんあります。

「がんばりすぎ」も更年期の不調に影響

ただ、薬を使うだけでは改善しないケースもあります。単純に女性ホルモンの急激な減少により更年期の不調が起こっているなら、ホルモンを補充すればラクになるはずですが、HRTの治療を始めても症状がよくならない方もいらっしゃいます。

話を聞いてみると、「治療を取り入れたから、これでもっとがんばれる!」と、無理をしていることが多いです。

そもそも更年期に差しかかった年齢になると体は疲れやすく、疲れの回復も簡単ではありません。あらゆる点からケアしないと、体はそう簡単に変えられません。「しっかりと療養・睡眠をとる」「健康的な生活習慣を身につける」「メンテナンスとして自分を積極的に癒やしてあげる」など、生活習慣から見直すことが大変重要です。

更年期症状が改善しない方は、仕事での役割が増えたり、親の介護問題などバックグラウンドに不安を抱えていることも多いです。これまで元気でやってきた人ほど、生理不順や体調の変化に戸惑いがちです。

一方で、薬を使わなくても症状がよくなる人もいるんです。治療の見とおしを立てて不安を取り除いてあげると、ホッとしてラクになる患者さんも少なくありません。ちょっと生活や気持ちを変えるだけで、元気になる人はたくさんいます。

人生を更新する時期だから「更年期」

ウォーキングをする女性PIXTA
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更年期の「更」は、更衣室の更、更新の更、夜が更けるときの更です。この漢字にはたくさんの意味が込められていると思いませんか? 更年期は自分の生き方を変える時期。私は、今までの自分とは違う、新しい生き方を見つけるときだと考えています。

更年期こそ、自分ファーストの考え方をもう少しだけ意識してほしいと思います。心身ともにラクになれば自分もハッピーになるし、周囲も家族もハッピーになります。更年期は、自分の生き方や生活習慣を見直す大切なタイミングという、体からのシグナルだと考えられるといいかもしれませんね。

※ 更年期の症状の感じ方、対処法は人それぞれ異なります。ご自身の体調に不安がある場合は、早めに医療機関を受診してください