ものはすぐ捨てない。ケチ精神から生まれた「ケチカロジー」という生き方
すべての画像を見る(全4枚)少ない予算で日々の暮らしを回すためには、「捨てない」ことが重要だと小笠原さんは言います。著書の中では、その考え方を「ケチカロジー」と名付けて紹介しています。
「ケチカロジーというのは、ケチをシステム化する、科学するというようなニュアンスを込めた私の造語です。生活全般に行き届くようなケチ、そしてそのケチが生活を活かせるように工夫することが目的なんです」
例えば、商品についてくるラベルや接着テープ類、輪ゴム、包装紙などは、すぐに捨てずに取っておきます。
「とくにテープ類は、たくさんのものについているので、そのまま捨てるのはもったいない。冷蔵庫の一面をテープ専用のスペースにして貼りつけておくと、再利用がとてもラクなんです。今、飲んでいるこのカフェラテのボトルについているテープも、よく見るととても剥がしやすくて、2度3度使えるくらいの接着力がありますよね」
安価なプラスチックのワインボトルのラベルなど大きくて剥がしやすいものは、細く切って冷蔵庫にペタリ。
「分割していくつにも使えます。たとえばゴミを捨てるときに、薄いビニール袋に入れたゴミを小さく丸めて、取っておいた再利用テープでピッと貼れば、少量でコンパクトにまとまります。習慣になっているので面倒とも感じません」
20代のときの服だって現役選手。ケチでも心豊かに生きる
ファッションもいつもすてきな小笠原さん。20代の頃の服も現役で着こなしているそうですが、長く愛用するための秘訣はあるのでしょうか。
「今日着ているこのビーズのカーディガンも、じつは40歳か、もしかしたらもっと前に買ったものかもしれません。スパンコールなどがついたゴージャスな洋服が流行る前の時代に、こんなにビーズがついた洋服があるんだと驚いて購入した記憶があります」
途中でビーズや刺繍などが流行りだした時期は、あえて着ずに眠らせていましたるのが小笠原さん流。
「今、人気がまた少し下火になってきたので、引っ張り出して着ています。すぐに捨てずに、あえて寝かせてときを待つ。そうやって、また着る日が来たら活用してあげるんです」
ケチ、という言葉からは、どことなく心が狭い印象を抱くもの。しかし小笠原さんの「ケチカロジー」からは、お金やものを惜しむことすら日々の楽しみにつながっているようなエネルギーを感じます。
普段は捨ててしまうようなものにも、再び役割を与えてみることで、日常に新しい発見が生まれるかもしれません。
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