なにかと不調を感じやすい更年期世代。その悩み、じつは「冷え」が原因かもしれません。ここでは、女性が冷えを感じやすい理由とその対処法について、医師の石原新菜先生に聞きました。

体調不良な女性
その不調、じつは「冷え」が原因かも…
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冷えを感じやすくなる更年期世代こそ正しい温活を

年を重ねると冷えやすくなるのには、女性特有の理由があるそう。

「私たちの体温の約40%は筋肉から生まれるため、男性と比べると筋肉量が少ない女性は冷えやすい傾向にあります。加えて、更年期に差しかかると代謝に関わる女性ホルモンの分泌量が低下。さらに冷えを悪化させます」(石原先生、以下同)

しかし、手足など末端に冷えを感じる一方で頭がのぼせる「ホットフラッシュ」に悩む人も。じつは、これも女性特有の血の巡りの悪さが関係するそう。

「現代医学では、女性ホルモンのバランスと自律神経が乱れることでホットフラッシュが起こりやすくなると考えられています。また、漢方では閉経が近づくと、これまで子宮や卵巣に送られていた血液が頭の方に上がってくるため、のぼせやすくなるという考えがあります。いずれも血の巡りが悪くなることには変わりはありません。その結果、眠れない、頭に血がのぼる一方で、末端は冷えるといったことが起こりがちです」

さまざまな不調に見舞われる更年期世代、自分で簡単にできる健康法が「温活」です。

「ただでさえ、仕事や家事、介護などでストレスにさらされやすい更年期世代は、自律神経のバランスが乱れがち。血の巡りをよくし、冷えにくい体にする意味からも、毎日の過ごし方や睡眠を見直して自律神経のバランスが乱れにくい生活を送ること。さらに下半身の筋肉を動かして体の中から熱をつくり、温めていく“正しい温活”を心がけることが大切です」