リビング階段を採用して上部を取り込めば、狭いLDKでも広く感じられます。6年前に注文住宅を建てたライターは、このリビング階段の下を収納として活用し、周囲の壁になじむ扉をつけました。すると15畳のLDKがすっきり。壁のような扉は、撮影の背景にもピッタリな場所になりました。

写真の背景になるリビング階段の壁
リビング階段の下が、たっぷり収納スペース&絶好の撮影場所に!
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LDKが広く感じられるようリビング階段を採用

リビング階段と階段下収納

筆者は夫と3歳の娘の3人家族です。6年前に地元工務店で、延床面積26坪の2階建ての家を建てました。1階にLDKと水回り、2階に主寝室と子ども部屋、クローセットがある間取りです。

LDKは15畳ほどと、決して広くはありません。そこで、階段の部分も空間に取り込めるよう、リビング階段を採用。その下の部分を収納スペースにしました。よく使う日用品はここに。LDKに面していて、2階に上がる動線上にあるのでとても便利です。

しかし、リビング階段の下を収納にすると、圧迫感が増してしまうことに、懸念がありました。そこで、扉を閉めた状態でも、収納があることを感じさせない空間になるよう意識。扉を造作でつくってもらうことにしたのです。

見た目を重視して、収納扉を壁と一体化

壁とフラットになる収納扉の構造

計画時、収納扉は、連続する壁とフラットになるようにしたいと希望しました。しかし実際に工事が始まると、大工さんからの反対が…。大工さんからは、階段の「ささら桁(上の写真の踏み板を支えている縦の板)」の位置に、扉がつくようにしてはどうかと提案がありました。

理由は強度の問題でした。収納扉を壁とフラットな位置につけると、ささら桁と扉の間に空間が生まれます。そうなると、扉の強度が低くなると言うのです。また、扉は壁と違い巾木がないため、摩擦や汚れがつきやすく、面材がはがれるなど劣化が早まる可能性があるとのことでした。

しかし扉が奥の位置になることで、横の壁と凹凸が生します。踏み板の出っ張りが目につき、階段の主張も強まります。

悩んだ筆者は劣化が早まるのは自己責任と承知のうえで、どうしてもフラットにしてほしいと依頼。上の写真のように、収納扉を取りつけました。

壁とフラットに見える階段下収納の扉

完成した階段下収納は、構造上、壁と1cm程度の段差が、どうしても生まれてしまいました。しかし、遠目で見るとほぼフラットな仕上がりに。

扉の素材は、壁紙やほかの建具ともなじむ、マットな質感かつ手入れのしやすいメラミン化粧板を選択しました。おかげで大きな収納があっても、リビングがすっきりと見え、生活感のない空間ができ上がりました。