女性ホルモンの「波」を乗りこなすために重要なこと

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女性の体や心は、ライフステージに応じて女性ホルモン「エストロゲン」の影響を受けて、変わっていきます。

エストロゲンは卵巣機能が活発な「思春期」から分泌量が増えていきます。思春期は脳や子宮の連携が整っていないため、排卵しないまま月経が来たり(これを無排卵月経といいます)、月経の周期も不安定だったりします。やがて20代~30代前半になると、女性ホルモンの分泌がもっともさかんな「性成熟期」を迎えます。この時期は脳と卵巣、子宮のホルモンの連携が存分に発揮できるので、「妊娠適齢期」とされています。

●自分の「現在地」の確認が大切

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そのあと、30代後半になると卵巣機能が少しずつ衰え、エストロゲンの分泌が減り始めます。そして「更年期」にさしかかると、卵巣機能はさらに低下して、エストロゲンの分泌は急激に減少していきます。やがて、エストロゲンの分泌が乏しい「老年期」と呼ばれる時期が続きます。これが女性ホルモンの「大きな波」です。

ちなみに閉経しても、エストロゲンの量はゼロにはなりません。閉経前はおもに卵巣でエストロゲンが分泌されますが、老年期でも副腎皮質(ふくじんひしつ)から分泌されたホルモンが脂肪組織で女性ホルモンに変換されるので、血液中には少量のエストロゲンが存在し続けるのです。

この「大きな波」で見ると更年期には、エストロゲンの量は急激に減ってはいるものの、常に一本調子で下がり続けているわけではありません。日によって卵巣が頑張ってエストロゲンを分泌したり、そうでなかったりという「ゆらぎ」を繰り返し、下がり続けているのです。空なら乱気流、海なら大荒れの嵐のような「ユラユラざっぶーん」というイメージです。

この一生の大きな波は人間の生物学的プログラム、いわば逃れられない宿命です。毎日をすこやかにすごすためには、この女性ホルモンの波をうまく乗りこなすことが肝心。そのためにもまずは今、自分が「大きな波」のどのあたりにいるのか、「現在地」を確かめることが大切になってくるのですね。

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