尿漏れ・頻尿は骨盤底筋トレーニングで治す
すべての画像を見る(全7枚)尿漏れを自覚したらすぐにでも試したいのが「骨盤底筋トレーニング」。腟と肛門を意識して締め骨盤底の筋肉を鍛える運動で、有効性が認められており女性の尿失禁治療の第一選択として推奨されています。セルフケアでよくならなければ女性泌尿器科か内科を受診しましょう。尿検査による病気の鑑別診断も重要です。
「骨盤底筋トレーニング」によって骨盤底筋の量が増えると、腹圧がかかったり、急に尿意を催したときに骨盤底筋をキュッと締めて尿を止め、尿意を抑えることができるようになるため、腹圧性尿失禁、過活動膀胱(切迫性尿失禁)のいずれにも有効です。軽症のうちに始め習慣化を。2、3か月続ければ効果を実感できるでしょう。
下記で紹介する基本の骨盤底筋トレーニングは、おなかに力を入れないように意識しながら行ってください。各1セット5回。ライフスタイルに合わせて毎日の生活に取り入れましょう。
●夜寝る前、朝起きたときに「寝ながらできるトレーニング」
1:あおむけになり、膝を立てる。
2:手をおなかに置き、腹筋や骨盤が動かないように意識しながら、腟と肛門をキュッと締める。
3:息を吐きながら、4~5秒かけて腟と肛門を胃の方向に吸い込むようなイメージで引き締める。
4:息を吸って力を抜き、リラックスする。
●電車の座席で、テレビを見ながらなど「座ってできるトレーニング」
1:姿勢を正してイスに座る。
2:おなかが動かないように意識しながら、腟と肛門をキュッと締める。
3:息を吐きながら、4~5秒かけて腟と肛門を胃の方向に吸い込むようなイメージで引き締める。
4:息を吸って力を抜き、リラックスする。
●家事の合間に「立ちながらできるトレーニング」
1:背筋を伸ばし、姿勢よく立つ。
2:おなかとおしりに手を当て、おなかとおしりが動かないように意識しながら、腟と肛門をキュッと締める。
3:息を吐きながら、4~5秒かけて腟と肛門を上方向に持ち上げるイメージで引き締める。
4:息を吸って力を抜き、リラックスする。
※ 参考:「トイレが近い」人のお助けBOOK(関口由紀 監修)
尿トラブル改善の生活習慣
水分の摂り方、膀胱訓練など日常で取り入れられる対策もあります。
●コーヒーや炭酸飲料を控え水分を摂りすぎない
頻尿が生活に支障を来す場合は、まず水分を摂りすぎていないかをチェックしましょう。とくに運動量が多くなければ夏は2リットル、春秋は1.5リットル、冬は1リットルの水分摂取で十分です。夜間頻尿のある人は寝る前3時間は飲むのを控えましょう。
水分補給としての飲料には常温の水かぬるま湯が適しています。カフェインを含む紅茶、コーヒー、緑茶には利尿作用があり、冷たい飲み物や柑橘系のジュース、アルコール飲料、炭酸飲料は膀胱を刺激して夜間尿を増やす原因となります。嗜好品の飲料は1日1、2杯程度に止めておきましょう。
●膀胱訓練で尿意を我慢。背筋を伸ばし大股で歩く
骨盤底筋トレーニングに尿意を我慢する膀胱訓練を合わせるとより効果的です。尿が少ししかたまっていない状態で排尿を繰り返すと、膀胱がますます敏感になり頻尿を悪化させるからです。尿意を催したら5分間我慢しましょう。その時間を徐々に長くし、トイレの間隔が2、3時間空くようになれば外出も安心です。
姿勢も重要です。猫背になると骨盤底が水平になって腹圧が直接骨盤底にかかり、尿が漏れやすくなります。背筋を伸ばしおなかを引っ込めたよい姿勢を意識し、さらに大股で歩くと骨盤を支える筋肉も強化されます。