日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「ほかの人から見たら幸せそうな家族だったと思います」と語るのはレスが原因で離婚をした春美さん(仮名・30代)のお話です。妊娠中に夫の隠し事が判明。些細な内容ではあったものの、夫婦の間に入った亀裂は徐々に大きくなっていったといいます。産後から完全レスに陥るまでの心境を詳しく伺いました。
すべての画像を見る(全4枚)20代最後の年。私が結婚相談所へ向かったワケ
子ども向けの玩具メーカーで商品開発の仕事をしている春美さんが結婚したのは、31歳の時。夫との出会いのきっかけは、結婚相談所からの紹介だったといいます。
「20代最後の年である29歳のときに思いきって結婚相談所に登録したんです。そこで知り合ったのが夫でした」と話す春美さん。
筆者が「結婚相談所へ行かずとも、絶対モテましたよね?」と聞くと、「仕事柄、子どものことをもっと知りたい、早く自分も子どもを授かりたいと思っていたのですが、職場は既婚の男性ばかり。仕事も忙しく、家と会社の往復をしている生活のなかで、なかなか出会いに恵まれませんでした。たまに好きだなと思う人には、ぜんぜん相手にされなくて。そういう意味では私、こじらせ女子だったのかも…」とのこと。
結婚相談所の世話役のスタッフには、子どもを希望しているので「年齢はなるべく近い人がいい」という程度の希望しか出さなかったそうですが、紹介されたのは有名大学を卒業し、一流企業に勤めているハイスペックな男性ばかりだったそう。
ハイスペなのに癖が強い!結婚相談所で出会った男たち
「私は短大卒業のメーカー勤務。どの方も本当に申し分ない立派な男性ばかりだったのですが、ひと言でいうと釣り合いがとれなくて、来る場所を間違えたなと思っていました。人柄も、上から目線の人や休日はゴルフばかりで趣味が合わなそうな人が多かったです」と振り返る春美さん。
結局、結婚した夫の職業は医師。「朝も夜も呼び出しが多そうだなと思って、初めは候補から外していました。けれど、世話役のスタッフさんに『眼科だから休みが安定している』って言われて。もうほかの相談所に乗り換えるつもりだったけれど『じゃあ最後に会ってみるか!』と思って出かけたんです。そしたら生活のリズムや会話の内容もすごく気を使って合わせてくれる人。お育ちがよさそうなエリートだなというのが最初の印象でしたが、話しているうちに一緒にいてすごく居心地がいいなって感じたんです」
光り輝く未来に影を落とした小さな不安
結婚相談所が設定している「結婚を前提とした本格交際」をスタートさせてから1年、プロポーズをされて、結婚の準備を具体的に進めていた矢先に春美さんの妊娠が発覚しました。もともとは海外挙式を希望していたのですが、春美さんの体調を考慮し急遽キャンセルすることに。
「私が直接言われたわけじゃないんですけれど、夫が親と電話しているときに『出来婚なんて体裁が悪いから、すぐに籍を入れてあとから妊娠は時間をおいてから周りに言うことにしたよ』と話しているのが聞こえてしまったんです」
せっかくのおめでたいことなのに、「体裁が悪い」と思われていたことにショックを受けた春美さん。
「別に芸能人じゃあるまいし、そんな時間差で報告するほどのことかな? って思ったんですが、このときは波風を立てたくなくて、言われた通りにすることに。ここで夫のモラハラ気質に気がつけばよかったんですけれどね…」
幸せな未来を信じながらも、少しの不安を抱えたまま無事に結婚し、出産。そして、産後から夫とは完全レスになってしまったというのです。