60代からの心地いい人間関係のコツ

次に、60代で意識したい人間関係を、ブロガーの中道あんさん、医師の和田秀樹さんに教えてもらいました。

●60代からはありのままを見せるのがいちばん(中道あんさん)

50代60代の女性の生き方に関する著書を上梓し、トップブロガーでもある中道あんさんは、先日60歳を迎えました。

中道あん
中道あんさん
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「人間関係の悩みに関しては、ほとんどなくなりました。来るもの選び、去るもの追わずの精神になったからでしょうか。とくに私の場合は、ブログで等身大の自分を晒しています。なので、そのブログを通じて知り合った方とは、価値観が似ているように思います。ブログを毎日投稿することで、読者は私と普段から会話をしているようなものです。だからでしょうか、初めてお会いしても全く初めまして感がないそうです。

若い頃だと自分をよく見せようと必死でした。でも、この歳になったら、ありのままがいちばん。みんなに好かれようとするよりも、自分を大切にしてくれる人を大切にしようと思います。

60代になると、いろんな意味で腹が座ってくると思います。ジタバタしたところであとは老いていくしかないと認めざるをえません。だからこそ、もう存分に好きに生きていきたい。そのために50代のうちに、できるだけチャレンジしてたくさん経験を積んでいくことが大切だと思います」

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●人間関係で「勝ち負け」を気にしない(和田秀樹さん)

「あの人は自分に比べて人生が楽しそう」「この人に比べれば、自分の人生なんてむなしい」と、つい卑屈になってしまうことは、人間ならだれしもあることです。しかし、長年、高齢者専門の医師として、数多くのシニア世代と接してきた和田秀樹さんは、「60代以降は他人と比べる人生を送っても意味がない」と語ります。
ここでは、『60歳からはやりたい放題[実践編]』(扶桑社刊)の内容を抜粋し、和田さんが提案する60歳からの人生を豊かにする秘訣をご紹介します。

背伸びする女性
60歳からの人生を豊かにするには?(※画像はイメージです)

「60歳からは、“やりたい放題”の人生が始まる。そんなふうに私が思うのは、60歳以降は『他人と比較する生き方』をしても、あまり意味がないからです。

私たち日本人は、本当に小さい頃から成績や受験、入社試験や出世などの競争にさらされてきました。だから、無意識のうちに、何事も勝ち負けで考える習慣がついています。ただ、60歳になったらもう『勝ち負け』の感覚は捨てて、『比べない人生』を意識してほしいと思います。

なぜなら、60歳以降の人生は同じ年齢であっても、大きく個人差が出てきます。

前までは同じような人生を歩んでいた同級生であっても、60代になってお互いの健康状態だけを比較してみても、元気に現役時代と同じように働いている人もいれば、病気を患っている人、けがをして外出が思うようにできない人、なかにはすでにこの世を去ってしまった人もいるかもしれません。

人によっては仕事で成功し、資産もたくさん蓄え、家族もつくったけれども、病気になって余命があと数年しかないという人もいます。一方、独身のまま生きてきて、家族がいないけれども、体は健康で一人の人生を謳歌している人もいます。

両者を見て『どちらが勝っているか』は、一概には言えません。つまり、人によって状況が大きく異なるなか、『勝ち負け』を気にしても意味がないのです」

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