年齢を重ね、子育てや家のことが一段落したことで、ひとり時間をつくる人もいるのではないでしょうか。暮らしに関する著書もある、60歳を迎えたブロガーの原田さよさんも、ひとり時間を楽しむようになったといいます。今回は、ひとりの時間の過ごし方についてつづってくれました。
すべての画像を見る(全4枚)定年のない主婦、ひとりで外食する時間が最高の息抜きに
月に1回か2回、外にひとりでランチを食べに行きます。ひとり、ゆっくりお昼ごはんを食べる時間は、私にとって至福の時間です。
私は先月60歳になりました。50代で家じゅうの片づけをはじめ、ものはずいぶん減らすことができ、老後を身軽に暮らせる準備ができたと思っています。そう思えたとき決めたのが、これからの自分の時間とお金は、ものを得ることより好きなことに使う方へ回そうということでした。たとえわずかなお金や時間であっても。
●徐々に増やしてきたひとり時間
同居していた義母がデイサービスにいやがらずに行ってくれるようになった今は、前より家をあけやすくなりました。夫は在宅勤務だからお昼ご飯は必要ですが、自分の分は自分でなんとでもして食べてくれます。以前はそうはいかなかったけれど、夫の定年を意識しはじめたころから、私が徐々にそう仕向けてきました。
得意ではありませんが、私はキッチンに立つのはわりと好きです。でも、人のために時間を使うことから解放されたいという気持ちが、50代後半あたりからムクムクと湧いてきていました。夫には定年があるけれど、私にはこの先もずっとないはず。夫のため子どものため義母のため、ひたすらご飯をつくってきたし、それが務めと納得していましたが、たまにはご飯づくりを休んでひとりになりたいと思うようになったのです。ひとりで外食することはこれまでもあったけれど、夫が家にいてもひとりで出かけるというのを、今のうちから普通のことにしておきたいと思っていました。
●ひとりで入りやすいのがファミレス
自分のおこづかいを決めていてその中でやりくりしているので、しょっちゅうおしゃれなレストランへいくのではなく、ファミレスも利用しています。いえ、私にはファミレスの方が入りやすいです。
「60歳の主婦がひとりでファミレスで食べていると、目立ってしまうのでは?」。こう思う人がいらっしゃるかもしれませんが、私は気になりません。それどころか、安い金額でエアコンの効いた空間にいられることが心地いいのです。和のメニューも増えているので大助かり。年金生活になってもできれば利用したいです。
私がよく行くのは、ジョイフル。ここの日替わりランチか日替わり昼膳を頼むことが多いです。最初の頃はお得だと思ってドリンクバーをつけていましたが、胃も老けてきたのか、ドリンクバーを楽しむ余裕がなくなってきました。最近は水だけ飲むことにして、600円ほどのランチを食べて帰ってきています。
まわりを見渡すと、平日だとシニア夫婦か、40~70代の主婦のグループがほとんど。赤ちゃんを連れた30代くらいの女性もたまに見ます。上の子が幼稚園に行っている間に小休止しているのかもしれません。「せめてここにいる時間だけはゆっくりしてほしい。赤ちゃん、ご機嫌でいてね」などと勝手に思っています。
中高年の女性がひとりで日替わりランチを食べているのはめったに見ませんから、私は、まあまあ浮いているかもしれないし、もう店員さんに覚えられているかもしれませんね。でも、スマホを見るか本を読むくらいで1時間もいませんから、たぶん迷惑はかけていないでしょう。とにかく私はここにいると気楽なのです。