1974年のデビュー以来、天性の演技力と唯一無二の存在感で、映画・舞台・ドラマ・音楽などジャンルにとらわれず活躍し続ける、日本を代表する女優・大竹しのぶさん。4月に上演されるミュージカル『GYPSY』では、舞台で活躍する2人の娘を育てた実在のショー・ビジネス・マザーを演じます。インタビュー前編では、65歳という年齢にとらわれずイキイキと輝く大竹さんに、自身も大好きだという本作の魅力や、舞台で喜びを感じる瞬間について、たっぷり伺いました。

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ミュージカル『GYPSY』大竹しのぶさんインタビュー

大竹しのぶさん
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ミュージカル『GYPSY』は、実在のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの回顧録を元に、“究極のショー・ビジネス・マザー”の代名詞となった母・ローズに焦点を当て、2人の娘をスターにするというローズの夢と努力とショービジネスの苦難を愛情たっぷりに描いた名作。1959年のブロードウェイ初演から、名女優が演じ続けている主役・ローズのオファーを受けたときは、「夢が叶った」という心境だったと明かす大竹さん。

「1991年に宮沢りえちゃんと鳳蘭さんが演じられた舞台を、たまたま観ていたんです。とくに『Some People』という歌がすごく素敵で。ロンドン公演の映像なども観ていましたし、いつか演れたらいいなと思っていました。

ローズはとにかくエネルギッシュでパワフルでチャーミングなキャラクター。本当に楽しくて素晴らしい作品なので、なぜ日本で約30年も上演されていないのか不思議なくらいですね。ミュージカルは歌がきちんと歌えないと話にならないので、ちゃんと歌えるようにならなくちゃいけないなっていうのは、日を追うごとに思っています。今は、“がんばらなくちゃ”しか言えないです(笑)」

●「夢に向かって生きよう」というメッセージが伝えられれば

大竹さん

本作は、ESSEの読者世代にも多い、子どもが巣立ったことで喪失感を感じている母親たちの心にも刺さりそうなストーリーとなっています。

「子どもたちに夢を託してビッグスターにさせるんだと、前に向かって突き進んでいる母親のローズが、突然、子どもたちに去られてしまったときに、“私の夢はなんだったんだろう、母親として、自分って一体なんなんだろう”と、最後に歌うんです。自分をどこかに置き忘れてしまうのは、だれにでもあることですが、そうじゃなくて、自分自身を見つめて、“夢に向かって生きようぜ!”というメッセージを伝えられればいいなと思います」