2022年2月に、以前暮らしていたパリに50代で二度目の移住をした、ミュージシャンで文筆家の猫沢エミさん。

インタビューの後編では、猫沢さんが渡仏する前に東京で出会い、看取った猫、イオへの思いを綴った最新著書『イオビエ ~イオがくれた幸せへの切符』(TAC出版)を中心に、愛すること、そして生きることへの思いをさらに伺いました!

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50代でパリへ移住した猫沢エミさん。現地で感じた日本とフランスの人間関係の違い

猫沢エミさんが、愛猫・イオと出会ってたどり着いた「生きる」力

猫沢エミさん
猫沢エミさん
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最新著書『イオビエ』は、猫沢さんが東京で暮らしていた頃に出合い、共に暮らし、看取った愛猫・イオへの思いが込められた一冊です。

イオは新宿二丁目の路上で捨て猫状態になっていましたが、2019年に猫沢さんと運命的な巡り合いを果たし、猫沢家にいるオス猫2匹と共に、“次女(猫沢さんが最初に飼った猫を含めて、2匹目のメス猫)”、そして通称・猫沢組の一員として生活するようになります。

ところがイオは扁平上皮がんを患い、2021年に猫沢さんの見守る中で猫人生をまっとうしました。イオの闘病、そして猫沢さんの心のうちはInstagramでも公開され、多くの人に様々な思いをもたらしました。

猫沢さんの著書『ねこしき』(左)、『イオビエ』(右)
猫沢さんの著書『ねこしき』(左)、『イオビエ』(右)

猫沢エミさん(以下、猫沢):イオの闘病に明け暮れていた頃、SNSにたくさんのDMをいただきました。どれも看取りに関するもので、動物はもちろん、大切な方を失った体験談でした。どれも長いもので、送ってくださった方々が、思いを込めて書いてくださったのだなと。

予想外の展開に最初は驚いたことも事実ですが、私のDMが皆さんの心の懺悔室になるようならば、どうぞ、好きなだけ打ち明けてくださいと。皆さんは、もちろんお返事やコミュニケーションを期待して送ってくださったわけではないと思うのですが、受け取る側の私としては、どうぞ、ありったけの心の中の思いを、イオや私を通じて吐き出してくださいという気持ちでいました。