ものを減らせばラクになる、というのはよくある片づけのセオリー。たしかにほとんどのケースで当てはまりますが、なかにはあえて減らさず、複数持ちすることでスムーズに暮らしが回ることも。整理収納コンサルタント須藤昌子さんはハサミを9本持ち、自宅の各所に置いています。なぜ同じものをたくさん持っているのか、その理由やメリットについて詳しく伺いました。

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「ハサミ9個持ち」で暮らしやすくなった理由

須藤さんはミニマリストではありませんが、ものをなるべく持たずシンプルに暮らすことを日々心がけています。そんな須藤さんがなぜ、ハサミを9個も?

「ハサミは、家にあるアイテムのなかでも使用頻度がかなり高いものです。郵便物やパッケージをあけたり、洋服のタグを切ったりと使うシーンや場所もいろいろです」

リビング
リビングにハサミは置く?
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ハサミはリビングや書斎にひとつ置く、というのが一般的かもしれません。

「もしリビングにしかハサミがなかったら、たとえば寝室で使いたいときにわざわざリビングまで取りに来て、使ったらまた戻すという作業が必要になりますよね」

使ったものを元に戻すことは、整理収納のプロであっても面倒な作業。片づけが苦手な人ならなおさらかもしれません。

●ハサミは各部屋にひとつ。置きっぱなしがなくなった

だから須藤さんは、持つことによる管理の大変さと、元の場所に戻す手間を天秤にかけた結果、ハサミは各部屋に置くということに決めたそうです。

須藤さんの家にある9個のハサミは、キッチン、仕事部屋、子ども部屋、寝室、シュークローゼット、和室、1階と2階の洗面所にひとつずつ。リビングには2つあります。

リビング

 

「リビングにハサミがあると、すぐに作業できてストレスフリーです」

洗面所では、シンク下の収納につけたフックに引っかけて収納。

フックで収納

ボックスや引き出しに入れると、戻すときのハードルが高くなるのでなるべくワンアクションで出し戻せるようにしています。

フック

「ハサミの指穴部分に厚みがある場合は、カードリングを使えばフックから落ちにくくなりますよ」