フリマアプリの人気で、着なくなった服は売るという手段が身近になりました。個人間での売買だけではなく、アパレルのショップが服を下取りするサービスも増えているそう。
「リサイクル専門のショップだけではなく、新品を扱うショップの参入が目立ちます」と教えてくれたのは、リユース事業を展開する会社・ベクトル代表の村川智博さん。
新しい形の「洋服の手放し方」のトレンドを伺いました。
新たなサービスが次々登場の兆し。フリマアプリだけじゃない服の手放し方
「今は『所有』するのではなく、とにかく『シェア』の時代。最後まで自分のものとして持っておき、穴があいたり、汚れたりしたら捨てる、という考えではなく、まだ着られる洋服も、少し好みが変われば売れるうちに売ってしまう、という人が増えています」
そんな風潮のなかで、アパレル業界では、売れた服を下取りするサービスが増えていきそうな流れができているそう。
●ネットショップでも実店舗でも、下取りがトレンドに
「すでに、服の大手ネットショップ『ゾゾタウン』では、同店で買ったアイテムを下取りに出し、その買取価格分だけ新規の買い物の際に割り引いてくれるという、独自の『買い替え割』を実施。同じくネットショップの『マガシーク』や『ショップリスト』でも、それぞれ古着のまとめ買い取りを始めています」
実店舗では、ファストファッション「H&M」が「衣類回収プログラム」を実施。他店で購入したものや汚れがあるものもOKとなっています。
商業施設ではマルイが新品や新品に近い衣類に限り、下取り。スーパーのイオンでも、期間を限定して下取りを実施しています。
●服を手放すことで社会貢献にも参加できる
「安い服は売れないこともありますが、捨てるよりも下取りにもっていく方が環境にも優しいし、クーポン券をもらえたりもして、ただ捨てるよりおトク。『ユニクロ』や『GU』では、クーポン券こそ発行しませんが、引き取った服を世界の恵まれない人に寄贈。服を手放すことで社会貢献に参加できます」
「所有からシェアへ」という時代の風潮を背景に、下取りサービスは今後も増加する見込み。
買う方としても、古着でもコンディションがいいものも多く、上手に安く手に入れる人も増えています。今後はふつうに新品で買うか、割安な古着で買うかを、消費者が選ぶ時代がくるかもしれません。