大容量のパントリーやリビング収納、さらには玄関脇のクロークなど。生活動線に即した、適材適所の収納プランが見事な注文住宅事例を紹介します。跳ね上げ式のサブテーブルやアイロン台といった、便利な仕掛けもうれしい。音楽室やウッドデッキもあって、4人家族が楽しい時間を過ごすのにぴったりのお宅です。
フレキシブルな収納プランで、機能美あふれる住まいに
喜多さんの家 京都府 家族構成 ／ 夫32歳 妻34歳 長男3歳 長女1歳
設計／一級建築士事務所FORMA
喜多さんの家のこだわりPOINT
- ・ 夜も楽器を演奏できる防音の音楽室
- ・ 友人とワイワイできる広いリビング＋デッキ
- ・ LDKをすっきりさせるアイデア満載の収納
- ・ 太陽熱を利用して1年じゅう快適環境に
木の温もりあふれ、吹き抜けとデッキがのびやかな印象を見せるLDK。喜多さんの住まいは、ゆったりとした心地よさに満ちています。南の庭へ向けてウッドデッキをつくり、フルオープンの大きな窓を設けました。デッキは、ゲストと一緒にバーベキューを楽しむセカンドリビングでもあります。
この家のもうひとつの魅力が、家事がしやすく、片づけやすく、ゲストも使いやすいというさまざまな視点で考えられた収納です。
友人が集うことも多いため、LDKをすっきりとさせるように、キッチン横に大容量のパントリーとリビング収納を配置。リビング収納には、書類や文房具、掃除機など多様なものを収めています。この収納スペースは玄関とLDKをつなぐ動線でもあり、リビング側からは見えない位置に配置。
「帰宅後の荷物の一時置き場に便利ですし、ゲストの目が届きにくいので、家族専用の裏動線になっています」（妻）
また、玄関脇には子どもの自転車、帽子、傘など、外へ持ち出すものの収納スペースを設置。ゲスト用のコートかけも完備しています。玄関とリビングの間には読書スペースであるホールをつくり、夫の愛読書のサイズに合わせた本棚を造作しました。
さらに、夫はギター、妻はマリンバ演奏という趣味を満喫するため、1階の中央に音楽室を設置。ガラスの内窓でLDKとつなげ、ゲストと一緒に音楽を楽しめるようにしました。
家族もゲストも楽しく気持ちよく使える――。喜多邸には、心地よい住まいづくりのヒントが詰まっています。
玄関とリビングの間にある読書スペース。オープンスペースですが、床が一段下がっているため、適度なおこもり感があり集中しやすい空間に。
温かな日だまりに包まれてほっこりするリビングには、夫の父がDIYしたロッキングチェアを配置。
パッシブデザインをベースにしたソーラーシステム「そよ風2」を採用。冬は太陽熱で温めた空気を室内に取り込み、夏は放射冷却で冷えた空気を床下に取り込みます。
「1年を通し、家じゅうすべてに温暖差がありません。だからエアコンを使う頻度が少なく、光熱費の削減にも役立ちます」（夫）
