新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、子どもは休校・休園、大人は在宅勤務…という家庭が増えています。家族がずっと家にいることで「ごはんづくりや買い物の回数が増えた」「家の中が汚れやすい」「掃除や片づけがしづらい」「時間と体力をもて余す子どもの相手が大変」などの声が聞こえてきます。

ここでは、ライフオーガナイザーの尾花美奈子さんに、休校延長・外出自粛にも負けない家事シェア空間づくりについて教えていただきました。

キッチン
「お手伝い」を習慣化して、「私ばっかり」を減らしましょう
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最初は少しずつ、完璧でなくてもいい!子どもや家族に家事を「手伝ってもらう」方法

全国的に緊急事態宣言が拡大されたために家族の在宅期間が延長されましたが、なんとか日々、「私ばっかり大変!」なんて悲鳴を上げずに過ごせています。
それは家族に家事を頼めたから。いわゆる「家事シェア」ができたので、1人で家事を全部背負わずにすんでいるのです。

家事シェアと言っても、家族の年齢や性格による向き不向きがあります。今回は、夫はもちろん、小学校低学年の子どもでもできることを紹介したいと思います。

●食事編

・食器やカトラリーを出す、しまう
引き出しに食器など

食器は子どもでも手が届く高さの引き出しに一括収納。あちこちに分散させず「この中だけ」にすると、同じ種類の食器が簡単に見つけられます。とくによく使うご飯茶碗やカトラリーは、子どもの立ち位置からいちばん近い場所に収納しています。

シンク下に鍋など収納

調理器具も同様に「ここだけ」の一括収納。

収納棚にラベリング

文字や絵でのラベリングをして、戻す場所がよりわかりやすくなるようにしています。

・自分の食事は自分で下げる

子どもによっては好き嫌いをしたり食べるスピードがゆっくりで時間がかかる場合もあり、それを待っているとなかなか片づきません。
そこで終わり次第自分でキッチンへ運んで片づけてもらうようにしました(それ以外は先に洗ってしまいます)。

滑り止め加工のあるトレー

ニトリで滑り止め加工のあるトレーを買って子どもでも運びやすくし、食器を水につけるところまでやってもらいます。幼稚園や保育園の子どもなら、給食の配膳のある小学校への準備にもなりますね。

・テーブルをふく
テーブルにティッシュ

食後はキッチンを片づけるのは私が担当し、テーブルをふくのは家族の担当。除菌スプレーをテーブルに吹きかけてからふくと、べたついた汚れも落としやすく、除菌もできて衛生的です。子どもはシュッとするのをおもしろがってやってくれています。

●掃除編

ハンディモップとフローリングワイパー

粘着クリーナー、フローリングワイパー、ハンディモップなど簡単にできる掃除道具を複数用意し、それぞれ子どもを隊長に任命。「隊長! しっかりお願いします!」と「遊び心と責任感」を与えると、子どもは楽しんでやってくれます。棚のホコリや床の髪の毛が見えなくなるだけでも気分はよくなります。

●洗濯編

わが家の洗濯機は縦型で乾燥機能が弱いため、洗濯物はハンガーに干して乾かします。
そのとき子どもに手伝ってもらいます。

カゴに洗濯物

洗濯物とハンガーを渡し、洗濯物をハンガーに通してもらいます。子どもは物干し竿には手が届きませんが、ここまでやってもらうだけでも十分助かります。

物干しに靴下など

小物干しをイスの背もたれなどを利用して低い位置にかけてハンカチや靴下を干してもらうなど、小さい子でもできることはありますよ。

●買い物編

買い物から帰ったとき、買ったものを早くしまって休みたいと思いませんか?

カゴに歯ブラシなど

わが家は洗面所での日用品のストックを「見える収納」にして家族がすぐわかるようにしているので、石けんや歯ブラシなど触れても危なくない日用品をしまってもらいます。私はその間にキッチンで食品をしまえるので大変助かります。

●家事シェアへの意識・声掛け編

ここまで家事シェアできるための収納や仕組みについて話してきましたが、じつはそれだけでは不十分。これまで母親に頼ってきていた家族は、自分がやる意識がないか薄い傾向が。
それなので、家族に「やってもらえると助かる。やってほしい」と言葉で気持ちを伝える必要があります。その気持ちが家族に伝わってこそ家事シェアが生きてくるのです。

家族がやってくれたことに対し不満が残るときもあると思いますが、でもまず感謝の気持ちを伝えてから「今度はこうしてくれるともっといいかも」とさりげなく言うのがいいかもしれません。がんばってやったことに対して否定的な言葉を言われたら、だれだってイヤな気持ちになりますよね。

まずは家事シェアを習慣づけることが大事。習慣づいていれば回数とともにうまくなるし、子どもは成長とともに手先も器用になります。皆様の参考になれば幸いです。