速読脳トレで、スポーツの成績が上がる――。ここ数年、脳を活性化させるための脳トレに取り組むスポーツ選手が増えています。自身の筋力とテクニックを最大限に発揮するために、脳を活性化させることが目的なのだとか。
なかでも、本を速く読む速読を用いた“速読脳トレ”はスポーツとの親和性が高く、多くのスポーツ選手が日々のルーティンに取り入れています。今回は、実際に“速読脳トレ”を始めてから効果が出たスポーツ団体の声を紹介します(※本稿は、呉真由美著の『
』の一部を再編集したものです)。
すべての画像を見る(全4枚)そもそも速読とは?なぜ脳が活性化して、スポーツ上達につながるのか
速読とはいったいなんなのかというと、脳が活性化して自然と“速く読めている状態”になることを指します。
「これから速読をしよう!」なんて気合いを入れなくても、気がつけば以前よりも速いスピードで本が読めるようになっている。脳を活性化するトレーニング、それが速読脳トレです。しかも、その“速く読めている状態”になるための脳の力=脳力は、普段から使っているのに気がついていないだけで、もともと誰もが持っているものなのです。
そして、速読脳トレで自分の脳力を活かせるようになれば、速いスピードで本が読めるだけでなく、あらゆるシーンで応用できるようになります。そのひとつが、スポーツというわけです。
速読脳トレには短期間で効果が出やすいという特徴がありますので、始めてから数か月、早ければ1~2回のトレーニングを終えた段階で、目に見える変化を実感している方も少なくありません。
【速読脳トレのやり方】
トレーニングの内容はいたって簡単で、基本は目の筋肉をストレッチして視野を広げる訓練をしてから、「大量の文字を読まずに早く見る」ことを繰り返すだけ。
「大量の文字を読まずに早く見る」=脳に大量の情報を早く送り込むことで脳が活性化され、どんどん処理能力が高まっていくそう。
まだトレーニングを体験していない方には、「いったいなにがどう変わるの?」と想像もつかないはず。実際に速読脳トレによってスポーツ技術が向上したという体験談をご紹介します。
●個人個人が能力を発揮できるように。チーム全体に力がつき、全国優勝も!
地域の小中学生が所属する埼玉県越谷市のフットサルチーム「FCカーニョ」では、2010~12年、16~18年の2期にわたって速読脳トレを導入しました。トレーニング開始後の生徒さんたちの変化について、全学年を指導する菊池一典監督はこう言います。
「速読脳トレをルーティーンワークとしてから、明らかに子供たちのエンジンのかかりがスムーズになりました。脳が活性化するおかげだと思いますが、ずっとアイドリングしていたような感じで、練習開始時からすんなりと動き出せるんです。サッカーは野球などに比べて練習時間も試合時間も短いため、エンジンがかからずダラダラしているヒマはないので、そういうムダな時間がなくなったことはとてもよかったですね。
また、集中力が高まったおかげか、練習中の凡ミスや正面衝突などの事故も減りました。もちろんミスはありますが、
『やりたいことがうまくいかなくてミスしてしまった』
という、意図のあるミスに変化しているんです。以前はぼんやりとしたビジョンでしかなかった“やりたいこと”が、脳が働いていることによって具体的になり、実際に行動に移せるようになったのだと思います」(菊池一典監督)
生徒さんたちからは、
「相手の動きが遅く見える」
「ボールの軌道が遅く見える」
という声がよく上がっていたそうです。視野や時間の感覚が変わって、プレーに好影響が出ています。
●勉強面でも効果が。脳の活性化の嬉しい効能
また、「個人個人が能力を発揮できるようになったことで、やる気や取り組み方の違いでできていた差が埋まり、チーム全体に力がついた」という菊池監督の言葉どおり、速読脳トレの導入後には、ホンダカップ フットサルフェスタUー12の部で全国優勝、埼玉県のサッカー県大会に出場など、目に見える成果も出しています。
さらに、速読脳トレ導入後には多くの生徒さんが学業面での伸びも実感していました。
「漢字の書き間違いや計算ミスがなくなった」
「テストを早く終えられるようになった」
といった声がよく生徒さんから出て、保護者の方々も、
「以前より授業の内容を早く理解できるようになったようで、成績がアップしました」「勉強をするときの集中力がついたように見えます。宿題も以前より早く終わるようになりました」
などとたいへん驚かれていました。しかし、速読脳トレを行うと脳の力=脳力を活かせるようになるので、スポーツに限らず勉強や日常生活においても、これまでできなかったことができるようになるのは自然なことなのです。
文武両道を目指したい学生のなかで、「もう一歩先を目指したい」と目標を持たれている方は、ぜひ速読脳トレを試してみてはいかがでしょうか。スポーツと勉強での効果を意識してみてくださいね。