●肩井(けんせい)にお灸を据えてみましょう
肩井は、うつむいたときにでっぱる「首のつけ根の骨」と「肩先」のちょうど真ん中にあるツボ。肩に反対側の手を置いたときに中指があたる辺りで、前かがみの姿勢で負担がかかり、かたくなっているところです。
「ここにお灸をしてほぐしてあげると、ぎゅっと縮こまった肩が下に下がり、血行も改善します」
<お灸をするために必要なもの>
すべての画像を見る(全10枚) ・お灸:お灸を据えるのが初めてという人は、「台座灸」がおすすめです。台の下がシールになっているので、肌に固定しやすくなっています。最初は温熱の弱いタイプから試してみましょう。ドラッグストアやお灸メーカーのネットショップで購入できます。
・水を入れたボウル:使い終わった台座灸を水に浸して完全に消火します。水に浸さずにそのままゴミ箱に捨てるのは絶対にやめましょう。
・ライター:お灸に火をつけるために使います。柄が長く着火しやすいタイプは、指先が熱くなりにくいのが利点です。
・点火器:お灸メーカー「せんねん灸」の台座灸なら、せんねん灸オリジナルのヒーター式点火器を使う方法も(写真右)。点火器の左下の穴にせんねん灸の台座灸を軽くはめ込んで、ボタンを押して点火します。ライターが苦手な人におすすめです。
<肩井へのお灸の据え方>
(1) 肩井の位置を確認します。肩に反対側の手を置いて中指があたる辺りです。
(2) 台座灸を1つ取り外し、底のシールをはがして指先に貼りつけます。
(3) ライターで台座灸の先に火をつけます。※火の取り扱いには十分に注意してください。
(4) 肩井に貼りつけて、煙が出なくなり、台座が冷めるまで5分ほどそのままにします。じっくりのんびりお灸の温かさを感じましょう。
(5) 使い終わった台座灸を水に入れて終了です。
※火が完全に消えていることを確認してから処分してください。
自分でできるマッサージとお灸のセルフケア。ぜひお試しください。セルフケアを続けてもつらさが続くときは、プロの鍼灸師のケアを受けるのもおすすめです。
たとえば、肩こりの場合も、原因が肩だけにあるとは限りません。肩甲骨まわりにもアプローチすることで、つらさが和らぐことがあるのは、筋肉や神経、血管が体のなかでつながり合い、それぞれがお互いに影響し合っているから。そうした仕組みを熟知しているのがプロの鍼灸師です。肩こりに対してもプロの目で、その人に合った治療を考えてくれます。
<写真提供/吉田明代 イラスト/hoho 取材・文/満留礼子>