転勤や会社の寮住まいなどを経て、家づくりに踏み切ったTさん。ラフな内装と質感豊かな雰囲気を求めてリノベーションを選択し、都内で築11年のマンションを購入しました。ラフ案や見積もりを比較して決めたスタイル工房は、見積もりが丁寧で細かな部材の単価も分かりやすかったのが決め手とのこと。状態が良かった設備は既存のまま生かすことで、工事費400万円(税・設計料込み)で心地いい住まいを手に入れることができました。
2室をワンルームにしてくつろぎの大空間に
すべての画像を見る(全9枚)もともと2部屋だったのを、壁を取り払って大きなワンルームに変更したLDK。
床は割れやゆがみをあえて生かした無垢材、壁は漆喰の厚塗りで、ともに空間に温もりを添えています。
リビングの広い壁面は、文庫本、CD、LPコード、レコードプレイヤーなどの収納棚やPCコーナーにフル活用。本棚の棚板は手ごろなツーバイ材を利用し、古材っぽく仕上げました。
ダイニングテーブルは関西のインテリアショップで気に入って購入したもの。スリムな脚が特徴で、空間のセンターに置いても圧迫感がありません。
古材を生かしたバー仕様のキッチン
キッチン本体は既存のまま活用しました。壁面にタイルを貼り、さらに吊り戸棚にタモ材の扉を造作してオリジナリティをプラス。カウンター内部は扉を一切つけずシンプルな仕様にしました。モノを出し入れしやすく、コストダウンにもひと役買っています。
古材を張り合わせたヴィンテージ感のあるキッチンカウンターは、この家の印象を決定付ける要素のひとつ。ニッチに収納したボトルは取り出しやすく、パッと見はラフですが、手が込んだつくりです。
また、キッチンのスチール製吊り戸棚には、底にグラスホルダーを設置。サッとグラスが引き出せて、バー気分を盛り上げてくれます。
ライティングの工夫で、夜も安らぐT邸。廊下の照明をつければ、ドアの型板ガラスを通し、間接照明のような楽しみ方ができます。
無垢材を使った居心地のいい空間
既存では平板な仕様でしたが、質感を重視して床は全体的に無垢材を採用しました。そして、LDK入り口のドアだけはアンティークのものに変更し、シックなブルーグレー色に塗装。広い面の型板ガラスが軽快な印象です。
廊下からLDKに入る右手には洗面室があるのですが、そこには鏡張りの壁面が。こちらは既存をそのまま利用したもので、ドアを開けたとき、空間がより広く感じられる効果もあるそう。
ベッドルームも、リビングと同じ漆喰塗りの壁、無垢板張りの床を採用し、居心地のよさを追求。ドアは既存をそのまま利用しています。「近くにはいい居酒屋も多いのですが、この家ができてすっかり家飲みが多くなり、友人もよく来ます」とTさんは楽しそうに話してくれました。
設計・施工 スタイル工房
撮影 中村風詩人
※情報は「リライフプラスvol.18」取材時のものです