二人とも工業デザイナーとして働く、愛知県内にお住まいのOさん夫妻。思い通りの空間を手に入れるためにはリノベーションが最適と考え、結婚と同時にリノベーションを決意。内装にこだわりたかったため、できるだけ物件価格を抑えたい、と考えていましたが、ほどなくして築20年のマンションを1,100万円で購入することができました。最もこだわっていたワークスペースの理想を実現させてくれたのは、妻の姉が以前依頼した名古屋のリノベーション会社・アネストワンでした。
黒を利かせたLDKとワークスペース
すべての画像を見る(全10枚)妻がこだわったのが、LDKに隣接しているワークスペース。ワークスペースにつながる建具に合わせて、窓枠も黒に統一しました。
空間を引き締める役割を果たす黒のバランスは、アネストワンの設計担当・榊原さんの提案によるものです。また、ベランダには床と同じレベルでウッドデッキを敷いて、空間を広く見せるという工夫も。
整然と物が並ぶワークスペースの棚は、ナラの突き板で造作しました。色味の強い背表紙の本には自作の白いカバーをつけるなどして、モノトーンで統一しています。
また、ワークスペースの壁は白と薄いグレーのツートンカラーにし、シックな雰囲気に仕上げました。
Oさん夫妻は、LDKとワークスペースを隔てる建具にアイアンフレームを希望しましたが、コストがかかりすぎるために、木の枠にアイアン塗装を施すことで理想的な雰囲気に近づけました。
シンプルなソファは大阪の「家具工房カルラ」でオーダーしたもの。キッチン裏のニッチにはプロジェクターを設置したので、窓に設置したスクリーンを下ろしせば映画を楽しめます。
O邸のインテリアをバランスよく引き締めている黒は、建具だけでなく家具や小物にもとこどろころ効かせてあります。キッチンのバックカウンターは、ほぼ妻のスケッチ通りの仕上がりとのこと。
入れるものの寸法を細かく測ってピッタリ収めました。お酒好きな2人に欠かせないワインセラーも完備。
居室によってメリハリをつけてリノベーション
LDKにコストをかけた分、寝室や子ども部屋はシンプルに仕上げており、北側の寝室はベッド以外何も置かない空間に。個室の壁すべてに一面だけアクセントカラーを塗装し、寝室は落ち着けるブルーを採用しました。
こちらの寝室と子ども室の間には、大容量のウォークインクローゼットを新設。収納ケース類がぴったり収まるように設計してあります。
シンプルな空間にさりげなくカラーをプラス
水回りを見てみると、洗面室には個性的なデザインのモザイクタイルが使われていました。こちらは名古屋モザイクのもの。スクラップを見た榊原さんの提案で決まったそう。
リビングから出られるバルコニーでは、様々な種類のグリーンを育てています。グリーンの種類や育て方を描いたボードがおしゃれ!
こちらは間取り図や精巧なパース画まで描き込んだ、妻力作のリノベーションノート。ほぼ現状に近い内容が描かれており、「ほとんどこのパースを形にするだけでした」と榊原さん。
リノベーションを振り返って、「結婚式や新婚旅行よりリノベーションが楽しかった」と妻は言います。
心から落ち着ける家で、今、妻のお腹にいる子どもの誕生を待っているOさん夫妻でした。
設計・施工 アネストワン
撮影 山田耕司
※情報は「リライフプラスvol.18」取材時のものです