「駅から近く、静かな立地が希望」だったという中原さん夫妻。関東の広範囲を対象に1年半かけて選んだ住まいは、病院や学校などが近くにあり、子育てがしやすそうな環境だったという神奈川県川崎市内にある築41年、物件価格2,200万円のマンション。「私たちの要望ひとつひとつに真摯に答えてくれそうだった」というフィールドガレージとともに、工事費1,100万円をかけて古さを感じさせない快適な空間をつくり上げました。
ナラ材とイケアを組み合わせたオリジナルキッチン
すべての画像を見る(全11枚)当初はアイランドキッチンを希望していましたが、構造の都合でL字型キッチンになりました。
「ワークトップが広く、思っていた以上に使いやすくて気に入っています」(夫)とのこと。
ぬくもり感のある白いタイルと黒く塗装した天井とのコントラストが絶妙な仕上がりです。
キッチン本体はナラ材を使って造作し、そこにイケアの収納を合わせました。側面には薄いステンレスを張ってキッチン本体となじませる、という細やかな工夫も。床にはタイルを採用し、リビングダイニングとは床材を分けたことでゆるくゾーニングされています。
キッチンからダイニングを見た様子。ベランダからはたっぷりの陽が入り、明るい空間です。リビングダイニングには極力ものを置かず「必要最低限にして、シンプルな空間にしたいです」 と妻。
ダイニング側から見えるキッチンカウンターのアイアンの脚は、無骨な雰囲気を醸し出していてお気に入り。
リビングダイニングの天井は黒く塗装し、シンプルな空間を効果的に引き締めています。「完成間近の頃、たまたま訪れたレストランの天井の配色が気に入って」と、急遽、白から黒に変更したそう。
室内窓でつながるいくつもの空間
以前の間取りでは、バルコニーに面してリビングと寝室がありましたが、壁を取り払い、約15畳の広々としたリビングダイニングを実現しました。ダイニングからリビングを眺めると、左手にはゲストルームとつながる大きな室内窓があります。
すりガラスのおかげで、採光を確保しながらもプライバシーが守れるようになっています。
ゲストルームにあるもうひとつの室内窓は、北側の寝室ともつながりをもたらしてくれています。こちらの寝室はウォークインクローゼットの奥に配置されています。
どこからでもキッチンにアクセスしやすい家事動線
玄関は「土間のようにしたい」と、リクエストし、モルタルのツヤのある仕上がりにこだわりました。
そして、廊下の壁には靴の収納棚を設置。もともとリビングに使われていた扉を塗装して、目隠し用の引き戸として使っています。廊下からもアクセスできるウォークインクローゼットは、 玄関にもキッチンにもすぐ出られて家事動線がスムーズに。
サニタリースペースは、トイレの扉を撤去して、洗濯機、洗面、トイレがひと続きになった空間に一新。天井には洗濯物が干せるバーを取り付け、ランドリースペースも設けました。床材には足触りのよいサイザル風塩ビタイルを採用しています。
そして浴室は、築年の古いマンションゆえコンパクトサイズ。建物の構造上、拡張するのが難しかったので、ユニットバスはあきらめて造作しました。洗面室の壁に配管を埋め込み、 追い炊き機能を後付けしています。
夫妻で悩みながら時間をかけて完成した部屋は、結果、大満足の空間に。
リノベーションを振り返り「壁の断熱材を足したり、梁を補強したりといったインフラ面もきちんとケアしてもらいました。おかげで古さを感じることはなく、快適に暮らせていす」と話してくれました。
設計・施工 フィールドガレージ
撮影 飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.17」取材時のものです