まだまだ冷え込む日が続き、体の冷えや感染症も気になる毎日。日々の習慣で健康な体を心がけたいものですよね。
そこで、ESSEonlineでご紹介してきたなかから、体を温めて冷えを解消する「温活」習慣と免疫力を高める習慣の記事をまとめてお届けします。腸活&免疫力アップ効果が期待できると話題の「きくち体操」もご紹介。この機会にぜひチェックしてみてください。
体を温めて冷えを改善!いますぐ取り入れたい「温活」習慣
まずは「温活」から。体を温める生活習慣や温活レシピ、保温グッズもご紹介。
●血行をよくし自律神経を整える“首温活”で、疲れやすい体質を撃退!
すべての画像を見る(全13枚)いつも疲れがたまっている。寝つきが悪く、眠りも浅い…。そんな悩みは自律神経が原因かもしれません。
「常にぐったりと疲れが取れない場合、体を休めるだけでは回復しません」と語るのは、自律神経の第一人者・小林弘幸先生。その解決策として小林先生が提案するのは、首を温めることで自律神経の働きを整える“首温活”です。長引く疲れと自律神経の関係、首温活について教えてもらいました。
首温活のやり方は簡単。次のAとBはどちらも有効な方法なので、ぜひ試してみてくださいね。
A.疲れたときや就寝前の30分間、ホットタオルや温熱シートで首を温める。
B.炭酸ガス入りの入浴剤を入れた38~40℃の湯に、首まで5分間つかる。
そのあと10分間、湯に胸までつかる。
首温活は冷えとりにも効果的。寒い冬からまだまだ冷える春先まで、ぜひとり入れてみて。
●じつはそれ隠れ冷えかも!?温活○×チェック
自己流で「温活」を行っている人も多いと思いますが、じつは“かくれ冷え”が潜んでいることも! 朝の「温活習慣」を、医師の石原新菜さんと、漢方師の櫻井大典さんがチェック&アドバイスしてくれました。
【起きぬけにさゆを1杯→温活チェック△】
習慣で飲んでいるならあまり意味がありませんさゆ自体には、体を温める効果はあまりありません。
「体内の水分量が増えると、結果的に体は冷えることに。“体を温めるため”なら、飲む必要はありません。のどが渇いたときに温かいものをひと口ずつ、がベストです」(櫻井先生)。
また、さゆを飲むなら、温活食材の“ちょいたし”がおすすめ。
「ショウガ、シナモン、はちみつ、黒糖、梅干しなどを加えます。温活効果がプラスされますよ」(石原先生)
【朝食に温かいみそ汁を飲む→温活チェック○】
冷えた体を温めるみそ汁やおかゆが◎起床時は、体温がいちばん低い時間帯。朝食に体温よりも冷たいものをとると、筋肉や組織が収縮して、血流が悪くなります。さらに、冷えた体を温めるためのエネルギーも消費して、朝から疲れる原因に。
「おみそ汁など温かいもので体を温めると、筋肉がゆるみ、血流が巡りやすくなります。1杯でおなかも満たされるおかゆもおすすめです」(櫻井先生)
●家事をしながら温活。腹巻、足カイロ、肩にのせられる保温グッズも
主婦業のかたわらエッセイストとしても活動する若松美穂さんは、普段の生活の中で上手に温活を取り入れています。
「私は、寒い日ほど、視覚的にも感覚的にも、自分自身が温かさを感じられるように暮らす工夫をしています。そうすることで、体もゆるみ、心にホッと余裕が生まれるのを実感します」
帰宅時は体が冷えているので、肩に乗せる保温グッズで体を温めながら家事をするそう。
「首のあたりで、ひも部分をキュッとしめることができ、動いても落ちることはありません。レンジで何度も温め直しが可能で、こちらも家族に好評。だれかが帰宅するたびに、チン! して使用しています」
ほかにも、温かい食べ物を積極的に食べたり、腹巻やカイロを上手に活用するなど、若松さんの温活アイデアはまねしやすいものばかり。
●内臓の働きをよくして芯から体を温めてくれる「塩豚と青菜の鍋」のつくり方
冷えや乾燥など、秋冬に起こりがちな体調不良は、体の中からも改善したいもの。
「身近な食材のパワーを活用すれば、食事を工夫するだけで、冷えや免疫力の低下を防ぐことができますよ」と語るのは、国際中医薬剤師の資格を持つ、料理研究家のコウ静子さん。そこでコウさんに、今の時季にぴったりな「塩豚と青菜の鍋」を提案してもらいました。
【材料(4人分)】
・豚バラかたまり肉 400g
・チンゲンサイ(縦4つ割り) 2株
・香菜(長さ3等分に切る) 3株
・ルッコラ(大きければ半分に切る) 1袋
・塩 小さじ2
・A[水4と1/2カップ 酒1/4カップ 赤唐辛子1~2本 ニンニク(つぶす)1~2かけ]
・塩、コショウ…各少し
・B[クルミ(粗くすりつぶす)15g レモンの絞り汁 しょうゆ各大さじ2 粉唐辛子(韓国産)小さじ1/4(なければ一味唐辛子少し) ニンニク ショウガ(各すりおろす)各少し]
【つくり方】
(1) 豚肉は塩をすり込み、1時間ほどおく。さっと洗ってペーパータオルで水気をふき、5mm厚さの食べやすい大きさに切る。
(2) 鍋にAを煮立て、(1)を入れて4~5分煮る。塩、コショウで味をととのえ、チンゲンサイ、香菜、ルッコラを加えてひと煮する。
(3) Bを合わせた薬味ダレを添え、つけて食べる。
●寒い日はショウガの力でポカポカに。簡単ジンジャーシロップのつくり方
料理やワインについての著作があるイラストレーター・Tamyさんが教えてくれたのは、寒い日の万能調味料・ジンジャーシロップのレシピ。材料はショウガと砂糖と水だけなので、意外なほど簡単!
●基本のジンジャーシロップのつくり方
【材料(つくりやすい量)】
・ショウガ 200g
・砂糖 150~200g
・水 200ml
【つくり方】
(1) ショウガは皮をむき千切りにする。
(2) 鍋にショウガと砂糖、水を入れ、沸騰したら弱火で20分~30分程煮る。
(3) 冷ましてからザルに上げ、シロップとショウガを別々にする。
(4) 煮沸消毒した容器にシロップを入れる。
鋳物ホーロー鍋などをお持ちでしたら、フタをして弱火で30分タイマーをかけて放置したらでき上がりです。完成したジンジャーシロップは紅茶に入れたり、シンプルにお湯で割ったり、炭酸で割ってジンジャーエールをつくったりと用途多彩です。温まりますよ。
感染症に負けない!免疫力アップ習慣&レシピ
お次は、免疫力アップ。腸や自律神経を整え、感染症に負けない体づくりへと導く習慣やレシピをご紹介します。
●腸と自律神経を整える!病気にかかりにくい体をつくる仕組み
体を病気から守るためには、免疫力を上げるのが重要で、「カギとなるのは、腸内環境を改善する“腸活”と“自律神経を整える”こと」。そう話すのは、医師の小林弘幸先生。
腸内環境と自律神経をケアする上でもっとも大切なことは、「食事」「睡眠」「運動」の3つを整えること。まずは毎日の生活を見直して、病気を寄せつけない体をつくりましょう。家事や仕事の合い間のちょっとした時間に、簡単にできることも。
【1日に計1.5リットル以上をこまめに水分補給】
便秘を防ぎ、腸内環境を整えるために、1日1.5リットル以上の水分補給を心がけましょう。スープなどの温かい汁物や牛乳などでもOK。
【ハーブティー&アロマでリラックス】
ペパーミント、ベルガモット、ジュニパー、ネロリの香りには、幸せホルモン「セロトニン」を増やす効果が。免疫力の大敵・ストレスを撃退!
●普段の生活を見直し!免疫力を上げる生活習慣
免疫力を上げる生活習慣はほかにもあります。
免疫力アップには、起床後と就寝前の生活習慣がポイントに。新陳代謝やホルモン分泌を行う「体内時計」を整えれば、自律神経の働きが正常化し、腸の働きも活発になります。
【<朝>のルーティンで腸を目覚めさせる!】
・毎日同じ時間に起きるできるだけ同じ時間に起きて朝日を浴び、体を目覚めさせましょう。起きてすぐに太陽の光を浴びると体内時計のズレをリセットでき、自律神経が正しく働きます。
・起きぬけにコップ1杯の水を一気に飲むコップ1杯の水(またはぬるま湯)を飲むと、腸が目覚めて排便がスムーズに。水で胃に圧力をかけ、その下にある腸を動かすため、少しずつではなく、一気に飲みましょう。
・バナナ1本でもOK! 朝食は必ず食べる朝食で自律神経のスイッチが入り、食べ物が胃に入ることで、腸が動き出します。手軽に食べられて腸の働きを助ける、バナナや、ナッツをのせたヨーグルトなどがおすすめ。
●体を温め免疫力アップ。ニンジンとショウガの「長生きポタージュ」レシピ
料理家の藤井恵さんが提案する「長生きポタージュ」は、藤井さんが親にごはんを届けていた経験から生まれたレシピです。調味料も野菜も最小限で手軽につくれ、食物繊維やビタミンがたっぷり。ひと皿で1日に必要な野菜摂取量の1/2程度をとることができます。
【材料(2人分)】
・ニンジン 1本(150g)
・ショウガ 30g
・タマネギ 1/4個(50g)
・水 1カップ
【つくり方】
(1) ニンジンは皮つきのまま1.5cm厚さの輪切りにする。ショウガは薄い半月切り、タマネギは横1cm幅に切る。
(2) 鍋に(1)と分量の水を入れてフタをし、強火にかける。煮立ったら中火で15分煮る。
(3) 火を止めてハンドミキサーなどでペースト状にする。(保存する場合はここで。冷蔵2日、冷凍1か月)
【仕上げ】
牛乳(または水か豆乳)1/2~1カップを加えて温め、塩小さじ1/3で調味する。器に盛り、オリーブオイル小さじ1ずつを回しかける。●海藻×発酵食品は腸活のベストマッチ。免疫力を上げる「ワカメキムチ」
免疫力アップで注目したい食材が“海藻”です。つくりおきもできる腸活におすすめのレシピを、料理研究家&管理栄養士の金丸絵里加さんに教えてもらいました。
海藻は水溶性食物繊維たっぷり。さらに、ネバネバ成分「フコイダン」には、免疫力アップの効果があります。冷ややっこにのせて、好みでポン酢しょうゆをかけるとおいしいですよ。
【材料(つくりやすい分量)】
・ワカメ(乾燥) 15g
・白菜キムチ 200g
・A[しょうゆ、みりん各小さじ4]
・ゴマ油 小さじ4
【つくり方】
(1) ワカメはたっぷりの水につけて戻し、水気をしっかりと絞る。キムチは大きければ粗く刻む。
(2) 大きめの耐熱保存容器にAを入れ、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱する。ゴマ油を加えて混ぜ、(1)を加えて混ぜる。
※フタをして冷蔵庫で1週間ほど保存可能。●免疫力アップに「納豆ドレッシング」。混ぜるだけで簡単
食物繊維や発酵食品を積極的にとると、腸が活性化して免疫力もアップ! コロナウイルスやインフルエンザなど、病気から体を守る効果が期待できます。
毎日食べると飽きてしまいがちな納豆は、サラダのドレッシングにすると、野菜も食べられて◎! クリームチーズと混ぜてディップにしたり、たたいた梅と合わせてあえ衣にしても。
【材料とつくり方(つくりやすい分量)】
ボウルにしょうゆ大さじ1、みそ、みりん、酢、ゴマ油各小さじ2を入れて混ぜ、納豆2パック(100g)を加えて、粘りが出るまで混ぜる。好みのサラダにかけ、よく混ぜていただく。
[全量334kcal]
驚異の86歳・菊池和子さん直伝の「きくち体操」で腸活&免疫力アップ!
86歳にして現役。「きくち体操」の考案者・菊池和子さんは、長年病気知らずといいます。その健康の秘訣は、健全な肉体を保つための動きを毎日意識して行うだけ! 気になるその体操を教えてもらいました。
●ゆっくり体を動かし、回数にはこだわらない!「きくち体操」の基本
いまなお現役できくち体操の指導を続ける、菊池さんに「基本のきくち体操」のルールを教えてもらいました。
「体力の続く限り何回もやる」「全力スピードで体を動かす」など、体を動かす際についやりがちな行動。きくち体操ではNGです! 下記のルールを守って行いましょう。
ルール1.まずは1回を丁寧に。回数にこだわらない
「多くの回数をこなしても、体に意識が向いていなければ意味がありません。まずは1回でも“筋肉を使えているかな?”と、自分の体と対話をしながら動かしましょう。昨日の体との違いを感じながら行ってみて」
ルール2.ゆっくりと体を動かす
体の声に耳を傾けながら、ゆっくりと丁寧に体を動かして、筋肉を育てることが大切です。
「音楽を聴いたり、テレビを観ながらなど、“ながら”で行うと雑音に意識が向いてしまいます。動かす部位を目でしっかり確認しながら、体に意識を集中させましょう」
ルール3.無理は禁物! がんばらなくていい
「きくち体操の本にのっている、見本のモデルさんのように動けなくても大丈夫。それが今のあなたの体です。無理をしたり、がんばったりせず、弱っているところをよくしようと、気持ちをこめて体を動かしましょう」
●便秘解消にも効果あり!きくち体操の、座ったまま「おなかつかみ」体操
「腸の活性化」と「自律神経を整え」て免疫力を高める効果が期待できる「きくち体操」より、腸に直接アプローチして、便秘解消にも効果あり! なエクササイズを紹介します。
1:おなか全体を手でしっかりつかむ
イスに座って足をそろえ、おなかの力を抜き、両手でおなかをつかむ。胃の付近から下腹まで、左右につかむ位置をずらしながら、まんべんなくつかんでいく。これを数回繰り返す。
<POINT>まずは、足の指と足の裏全体に力を入れてふんばる足の指と裏側全体に力を入れることで、下半身からおなかに刺激が伝わる。親指、続いて全部の指に力を入れる。
<POINT>次に、指先~手のひら全体でつかむ指先から手のひら全体に力を入れ、おなかの奥にある腸をつかむように、グッとつかむ。
めずまっすぐキープ。
2:脇腹~背中にかけてつかむ
脇腹つかむ脇腹から背中にかけて、手全体で数回繰り返しつかんでいく。このときもやや前傾姿勢を保ち、足の指と足の裏に力を入れて下半身を安定させる。
●隙間時間に!きくち体操の「座ったままおなか出し入れ」体操で腸を活性化
腸を活性化させたいなら、腹筋に意識を向けながら動かすこと。「そうすれば、腸に刺激が伝わって便通や血流がよくなり、腸を支える筋肉も育てることができます。体全体の免疫力が底上げされますよ」と菊池さん。
座ったままでOKだから手軽にできるうえ、おなかを出し入れすることで、血流がよくなり腹筋&背筋も育ちます。
1:ぺたんこになるまでおなかを引っこめる
イスに座り、肩を下げて背筋をまっすぐに伸ばす。手をおなかにのせて、ぺたんこになるまでおなかをへこませる。最初は手でおなかを押しながらでもOK。
<POINT>胃を引き上げるイメージで息を吸い込みながら胃を引き上げるように、おなかをグーッと引く。引いたときに、腹筋で骨盤を押すことも意識して。
2:おなかをできるだけ前に出す
肩を下げ、腹筋を使っていることを意識しながら、おなかを前に出す。腰はそらさない。腹式呼吸でおなかを膨らませるイメージで。1と2を数回繰り返す。
<POINT>筋力で前に押し出すおなかを筋力で出したり引いたりすることに意識を集中させることが重要なので、呼吸は止めずに自然に行う。