昨年11月上旬に、出張先の大阪で新型コロナウイルスへの感染が判明した女優の川上麻衣子さん(54歳)。
川上さんは愛猫家でも知られ、社団法人「ねこと今日」の理事長も務めています。大阪でPCR検査~新型コロナの療養中は、東京の自宅に猫が2匹残されてしまいました。東京に戻るまでの約2週間、だれに猫の世話を頼めばよいのか…。
今回は、飼い主が新型コロナに感染したときの猫の世話のこと、また50代の川上さんが新型コロナ感染後に気づいたことなどを率直に語っていただきました。
大阪で新型コロナ陽性に。いちばんの心配は東京に残してきた2匹の愛猫のこと
川上さんが会食中に友人から「発熱した」と連絡があったのが昨年11月4日のこと。それから3日後の11月7日、出張先の大阪で体調不良を感じた同様のタイミングで保健所から「濃厚接触者なので2週間は外出を控えるように」と連絡が入りました。「私も発熱していたので、保健所からの電話のあとすぐに大阪でPCR検査を受けました。検査結果が出るまでの間は“もしも陽性だったらどうしよう…”と考えてばかり。そのなかで、真っ先に心配したのは東京で飼っている愛猫タックとココロのこと。
4日間の出張と思っていたので、猫好きの友人に合鍵を預けて餌とトイレの掃除を頼むだけで来てしまいましたが、新型コロナ陽性の判定が出たら10日間は東京には戻れません。
もし私が新型コロナに感染していたら、一緒にいた猫は大丈夫なのか、自宅もウイルスが蔓延しているのか、高齢の両親にウイルスが残る自宅での猫の世話を頼むのも難しい…と、考えることが山積みでした」
川上さんは一般社団法人「ねこと今日」を運営して、保護猫の譲渡会活動や“キャットアカデミー”で猫の飼い方や災害時の猫の避難方法などをYouTubeなどで発信しています。ちょうど、飼い主が新型コロナに感染したときの猫の世話についても考え始めた矢先のことでした。「自分が陽性者になってみると、いろいろな課題が見えてきました。もし私が東京にいたら、猫をケージに入れて玄関の外に出して、友人に動物病院やペットホテルに預けてもらう方法もありますが、大阪からの遠隔操作ではその選択もできず、本当に悩みました」
●ボランティアの協力で、自宅で猫の世話を続けてもらうことに
いろいろ考えた結果、ペットホテルなど施設に預けるのではなく、猫つながりの知人・友人に相談してみることに。「知人で譲渡会を主催している『しあわせにゃんこ』代表の山本さんが、猫のウイルス対策で常備している防護服や消毒液を使って、部屋の除菌をしながらの猫の餌とトイレの世話を引き受けてくれました」
「保健師さんに家主が新型コロナ隔離後の自宅に入る注意点を伺ったところ、
・留守宅となった新型コロナ陽性者の部屋のウイルスは3日間あれば消滅していると思われる ・留守宅にしてから3日以内の場合は、防護服を持っていなければ、手袋・マスクをして家の動線にあるスイッチやドアノブを消毒除菌しながら入室し、換気するようにとのことでした」
「猫は知らない人への警戒心が強いのでケージに入れて連れ出すのは大変なこと。自宅での猫の餌とトイレ交換を短時間でお願いする方が、猫にとっては施設に預けるよりもストレスが少なかったように思います」