●ほっとした途端にメンタル不調になることもある

うつ(病気だけでなくゆううつな気分も含む)状態は、ストレス過多で引き起こされることもありますが、由美さんのように「これまで一生懸命やってきたことがなくなる」という状況でも起こることがあります。仕事のピークを過ぎたあと、ほっとした途端にメンタルが不調になるという人もいます。

私自身も会社員時代、大きなプロジェクトの後に気が抜けて、調子が悪くなったという経験を何度かしたことがあります。

由美さんのようなパターンの人は「とにかくがんばらないと」という気持ちが強く、なかなかSOSが言えなかったりします、また環境によっては自分ひとりでやらざるを得ない人もいて、このような状況に陥ってしまう人もいます。

これを防ぐためには、できる範囲で構いませんから「自分のためにする」という習慣を心がけるといいと思います。趣味でもいいですし、勉強でもいいでしょう。常に「だれかのために」をやり続けるのではなく、どこかちょっとだけでも「自分のために」をつくっておく。

そうすることで由美さんのようになることは防ぎやすくなります。もちろん環境的に難しい人もいらっしゃると思いますが、1日数分でもいいので「自分のための時間」をもつように心がけてみてください。
ちなみに由美さんは、その後お友達の誘いで写真教室に通うようになり、毎日カメラを持って出かけるという習慣が生まれました。今ではすっかり元気を取り戻しています。

●50代女性は更年期のことも頭に入れて

今回50代女性の例をご紹介しましたが、もうひとつこの年代特有のパターンについて触れておきたいと思います。

この年代あたりから女性特有の悩みでもある「更年期」が始まってきます。じつは更年期で起こる症状とうつ病の身体症状が似ているため、最初から「うつ病かもしれない」と思い、精神科クリニックに行く方もいらっしゃいます。身体症状が気になってゆううつな気分になることもよくある話です。

もしそのような症状が出てきた場合、「更年期の可能性もあるかも」と思っていただき、婦人科の受診も頭に入れておくといいでしょう。
実際、「うつだと思って病院に通っていたけど、婦人科で漢方薬をいただいたら治った」という人もいらっしゃいます。「更年期うつ」という言葉もありますが、心と体の両方からアプローチをするという方法もあるということを知っておいてください。