睡眠の量や質について、悩んでいる人は多いはず。眠りの浅さや昼間の眠気は、どうにか解決したい問題です。
ここでは「眠りが浅い」というESSE読者の悩みに、青山・表参道睡眠ストレスクリニック院長の中村真樹先生が答えてくれました。

あくびをする女性
昨晩もよく眠れなくて、昼間のパフォーマンスが悪い…(※写真はイメージです)
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眠りが浅くて寝た気がしない…快眠に大事な量と質とタイミングって?

●平日の睡眠時間の不足は、休日に補う

【お悩み】

眠りが浅く、夜中に目が覚めることがよくあります。そのせいか、熟睡した感じがなく、昼間に、猛烈な眠気に襲われます。熟睡できる方法を教えてください。(ゆかりんさん・42歳)

【中村先生の回答】

眠りが浅くなる原因としてもっとも多いのは、ストレスや不安といった「心理的なもの」です。人は心と体がリラックスしていないと熟睡できないので、ストレスを抱えていると眠りが浅くなり、ちょっとしたことで目が覚めてしまうのです。また40代以降の女性で貧血があると、寝ているときに脚が頻繁にぴくぴく動く「周期性四肢運動障害」の症状が起こりやすく、その影響で熟睡できない人も。

じつは、睡眠時間が十分に取れていても、日中に3回、昼間の眠気が生理的に強くなる時間帯があるんです。それは10時頃、14時頃、そして夕方の16時頃で、とくに昼食後の14時前後はもっとも眠気が強くなりがち。できれば昼食後に5~10分くらい、ソファなどに座った状態でウトウトする程度の軽い昼寝ができると効果的ですね。またコーヒーなどに含まれるカフェインは、摂取後20~30分で眠気を抑える効果が出るので、昼寝前にカフェイン飲料を飲むと、すっきり目覚められるといわれています。ただし、昼寝では、頭の疲れは取れても、体の疲れは取れません。やはり夜、寝るべき時間帯にまとまった時間(7~8時間程度)眠らないと、心身の疲れは取れないのです。

イラスト3コマ漫画

でも、忙しい平日に十分な睡眠時間を確保するのは難しい人も多いでしょう。そこでおすすめしたいのは、週末にいつもより1~2時間早く寝て、平日の睡眠時間の不足を補うこと。人の眠りは遅い時間帯にずれやすいので、休日に夜ふかし・朝寝ぼうをしてしまうと、体は遅いリズムに慣れてしまい、平日に早寝早起きをしようとしても、寝つきや寝起きが悪くなります。その結果、睡眠不足を引き起こし、体調不良を招きやすくなります。

人は眠ることで心身の疲労を回復させます。ストレス性の不眠や寝不足が続くと、心身の疲れが蓄積して「うつ状態」になる可能性が。疲れているのに眠れなかったり、疲労感や倦怠感が取れない状態が2週間以上続いていたら、早めに医療機関を受診しましょう。

●快眠の条件は、時間・リラックス・規則正しさ。3つのことを意識した生活を

よい眠りに大切なのは「量」(睡眠時間)と「質」(熟睡感)と「タイミング」(就寝時刻と規則正しさ)。この3つがそろうと、熟睡感がアップして快眠につながります。忙しい現代人には難しいことかもしれませんが、できることから始めてみましょう。

「量」:睡眠時間を最低「6時間」確保する

人は7~8時間連続で眠ったときがもっともパフォーマンスが上がるといわれています。でも忙しい平日に7~8時間寝るのは無理…。そんなときは平日は最低でも6時間確保して、不足分は週末の早寝で補うようにして。

「質」:睡眠の質を下げる「ストレス」を減らす

ストレスがあるとリラックスできず、眠りも浅くなりがち。まずはストレスをためない工夫を。また、就寝前にぬるめのお風呂に入ったり、ヨガやストレッチをして体の緊張を取ると、心身がリラックスして入眠しやすくなります。入眠作用のあるラベンダーやカモミールのアロマを利用するのもおすすめ。

「タイミング」:寝る時間を一定にする

良質な眠りには、一定の規則正しさも必要。規則正しい生活をすると、体がそのリズムを覚え、1日の生活にもメリハリがつきます。その結果、夜はしっかり眠れて、昼間は活動的に動けるように。その意味でも、快眠のためには、週末の夜ふかしはNGですよ。