よろしければどうぞ、の箱
すべての画像を見る(全2枚)テーブルクロスとプレースマットをやめて、台所の引出しひとつが空になった。
台所と机周りには使わないのだけれど眺めていたい、そんなものがいくつか散らばっている。
いる、いらないではどうにも割りきれない、かといってだれかに引き継げるほど価値のあるものでもない、ちびた月光荘の8Bとアルミサックつきのステッドラーの鉛筆、カメラレンズ用ブラシ、象牙のバラ、サイズの合わなくなった指輪、アクセサリー用のビーズ、アンティークのルレット、シーリングスタンプとロウ、根づけ、手作りの蚊取り線香立て。
それに加えて、ふたつあるワインオープナー、チーズグレーター、裁縫用メジャー、扇子。いくつもあるクリップデス、ニットピン、安全ピン、ボックスラッチ、有磁性の古いコイン。非磁性の古いコイン(キャンドル消しに使うワインのスクリューキャップにはって熱伝導率を下げる)。
こんなにはいらない100本入りで買った杉箸と1000本入りで買ったビニタイ、それらをひとまとめに入れたら、引出しがずっしり重くなりました。
終活を進めている同世代には混乱させてしまうから見せないけれど、取材で訪れる写真家や編集者ならひとつぐらいもらってくれるかもしれない。わたしの心を軽くしてくれるかもしれない。心が軽くなっただけ、無理なく次へ進めそう。
独身時代、海外旅行に持っていったトラベルウォッチと方位磁石と歩数計、楽しかった記憶を呼び起こしてくれるものはもう少しだけ手元に置きたい。

