親の介護や相続、実家の片付けは、いざそのときが来ると、必要な情報や書類が見つからなかったり、親との間でもめ事になったりと、戸惑うことがあります。今回は、整理収納コンサルタントの須藤昌子さん(50代)に、義理の伯母、義理の実家、そして実父・実母の介護や片付けを経験して感じた「元気なうちに準備しておきたいこと」を4つ教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)親の「いざというとき」にあわてないために
義理の伯母、義理の実家、そして実父・実母の介護や片付けを経験するなかで、「元気なうちに話しておけばよかった」「準備しておけば、もっとあわてずにすんだ」と感じることがいくつもありました。
介護や相続の話は、「まだ早い」とあと回しにしがちです。でも、元気だからこそ本人の考えを聞けたり、一緒に準備できたりすることがたくさんあります。
いざというときに親も子どももあわてないために、私自身の経験から「元気なうちに準備しておくと安心なこと」を4つご紹介します。
1:元気なうちに情報を整理しておく
親になにかあったとき、最初に困るのは「なにがどこにあるのか分からない」ということでした。
どこの銀行を利用しているのか、クレジットカードは何枚あるのか、かかりつけ医や服用している薬、生命保険の内容、介護サービスの利用状況など、情報が分からないだけで手続きは止まってしまいます。
もし長年使っていない銀行口座やクレジットカードがあるなら、元気なうちに整理しておくのも1つの方法です。解約などの手続きは本人しかできないものも多く、判断できるうちだからこそ進められます。
情報を整理しておくことは、家族のためだけでなく、自分自身が安心して暮らし続けるための準備にもなると思います。
2:大切な書類は置き場所を共有しておく
親の手続きを経験していちばん大変だったのは、ものを「探すこと」でした。
銀行の通帳や実印、銀行印、キャッシュカード、マイナンバーカード、介護保険証、介護負担割合証、生命保険証書、年金関係の書類など、大切なものが家のあちこちに保管されていて、1つ見つけるたびに次を探す、という状態でした。
実際に、義母の印鑑登録証明書が必要になり、義母から“実印”として渡された印鑑を区役所に持参したところ、「登録されている印鑑ではありません」と言われたことがありました。あとから分かったのですが、その印鑑は何十年も前に亡くなった義祖父の印鑑だったのです。
義母自身も、それが自分の実印だと思っていました。家じゅうを探しても本当の実印は見つからず、結局、自宅にあった別の印鑑を新たに実印登録することになりました。
また、マイナンバーカードで証明書を取得しようとしたところ、更新手続きがされておらず、コンビニでは利用できませんでした。区役所で更新手続きを行うことになり、ここでも時間と手間がかかりました。
本人も「大丈夫」と思っていたことが、実際にはそうではないケースもあるのだと実感しました。
もちろん、防犯のために、すべてを同じ場所へ保管する必要はありません。でも、「なにがどこにあるのか」だけでなく、「きちんと使える状態になっているか」まで元気なうちに確認し、家族と共有しておくことをおすすめします。
それだけで、いざというときの手続きは驚くほどスムーズになりますし、あわてたり不安になったりする時間も大きく減らせると感じています。


