10年ぶりに「大事にしていた靴」を出してみたら…
すべての画像を見る(全2枚)荷物を片付けていると、靴箱に入ったトレッキングシューズがクローゼットの奥から出てきました。
以前、友人に誘われて山歩きをしていたことがあり、トレッキングシューズやスティックをそろえました。その後、山に行く機会はなくなりましたが、「いつか登ろう」「いつか使おう」「いつか再開しよう」そう思っているうちに、気づけば10年が経過。
前回の引越しでも捨てきれずに持ち続けていたのは、山歩きの楽しかった記憶が消えなかったからだと思います。
ところが今回、黒部への移住を前に久しぶりに取り出してみると、トレッキングシューズのかかとはカチカチに硬くなっていました。「これは、もしかして山を歩いたら途中で壊れるかもしれない」。そう思った瞬間、処分を決めました。
10年以上、「いつか」のために取っておいたものが、結局一度も使われないまま寿命を迎えました。ものは使わなくても残っているように見えますが、時間は確実に流れていました。
私が黒部に移住すると知って、「遊びに行きたい」と言ってくれる人がいます。黒部に暮らせば、立山連峰は日常の風景になります。季節ごとに表情を変える山々を眺めながら歩く日もあるでしょう。
いつか友人たちと立山アルペンルートを訪れたり、黒部の自然の中をゆっくり歩いたりするかもしれません。けれど、まずは今の自分に合ったスニーカーで、新しい暮らしを歩き始めようと思っています。
大切なトレッキングシューズを処分した日、「いつかやる」の「いつか」は、カレンダーには存在しない日なのだと実感。
そして、60代になった今は、「いつか」より「今」を選びたいと感じるように。
黒部への移住準備は「暮らしを小さくする」作業というより、自分にとって本当に大切なものを選び直す時間になっています。
