いつも心に「マチ先生」を置いて生きていきたい

と、ここまで書いてきて身もフタもないけれど…。実際問題、私たちは、マチ先生に診察してもらうことも、看取ってもらうこともできない(そりゃあ、そうだ)。だけど、この本を読んだ私たちはこれからいつだって、心にマチ先生を召喚できる。

自分が病にかかったとき。大切な人を失うとき。私はこれから何度でも、マチ先生のことを思い出すだろう。

そして、もし世界に、マチ先生に出会った自分とそうでない自分が2人いるとしたら、その2人は「生きること」と「死ぬこと」について、まったく違うことを考えるだろう。

マチ先生のいる方の世界で、生きて、死ねることをうれしく思う。

『スピノザの診察室』。病めるときも、健やかなるときも、人生を肯定したいときに「効く」一冊です。<了>

追伸1:『スピノザの診察室』は映画化が決定しています。マチ先生、誰になるかなあ。二宮和也さんか中村倫也さんだったらうれしいなあ…。追伸2:最近、活字から遠ざかっているみなさま。オーディブルで聞くのおすすめです。とってもすてきな声ですよ。追伸3:京都の「長五郎餅」か「阿闍梨餅」が手に入ったら、それを片手に読むと最高。さらに、岡山県・雄町の日本酒があれば完璧。追伸4:看取られるならマチ先生ですが、結婚するなら花垣先生がいいです!(聞かれてない)

『スピノザの診察室』

  • 京都の町中の地域病院「原田医院」で働く内科医、雄町哲郎(通称マチ)。将来を嘱望された凄腕医師だったが、若くしてこの世を去った妹の忘れ形見、甥の龍之介と暮らすために大学病院を去った。地域に根差した原田病院のやり方に最初はとまどいも感じるマチだが、次第に大学病院時代には感じられなかった「幸せ」を考えるようになっていく。
  • 『神様のカルテ』の作者で、自身も現役医師である夏川草介氏による新シリーズ。『スピノザの診察室』『エピクロスの処方箋』ともに、本屋大賞にノミネートされた。

スピノザの診察室

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