3:「こうあるべき」という思い込みを捨てる
すべての画像を見る(全6枚)時間どおりに行動する。人に迷惑をかけない。空気を読む。期待に応える。多くの大人たちは、こうしたことを当たり前にがんばっています。
周りの環境に合わせて“ちゃんとこなすこと”はもちろんすばらしい。でも、同時にとてもエネルギーを使うものでもあります。
海外生活を始めて間もない頃の私は、毎日とても緊張していました。はやくその土地の暮らしに慣れようとがんばっても、言葉が通じない。思ったとおりに進まない。
でもある日ふと、「もう、全部ちゃんとできなくてもいいじゃない」と思える瞬間があって、急にラクになりました。
疲れるのは、出来事そのものではなく、「この環境ではこうあるべき」という思い込みなのかもしれません。今は、自分に合うやり方が見つかればそれでいい、と思えるようになりました。
4:「暮らしのハードル」を下げる
もう1つ、私のなかで大きく変わったのは、暮らしの基準でした。
以前の私は、やるべきことを終わらせないと落ち着かないタイプ。生活習慣は守りたいし、予定もきちんと進めたい。部屋も整えておきたい。そうして気づけば、いつもなにかに追われていた気がします。
でも、海外生活は予定どおりにいかないことばかり。すると次第に、「今日はこれで十分」と思えるようになっていきました。
完璧にこなせなくても、洗濯できたから十分。ごはんを食べられたから十分。そんなふうに、暮らしのハードルを下げることで、気持ちが驚くほど軽くなりました。そうすると不思議なことに、以前より景色がよく見えるようになったのです。市場のにぎわい、クルマのクラクション、空の色…。
若い頃は、「もっと完璧にこなさなくちゃ」と、いつも先のことばかり見ていました。でも今は、ただ毎日をちゃんと暮らせるだけで十分。毎晩カーテンを閉めるとき、「今日も無事に生きていられた」と思います。
人生の後半は、自分を追い込み続けるよりも、自分のペースに戻していく。そんな暮らし方も悪くないと思っています。
私が海外生活で学んだのは、がんばることではなく、“がんばりすぎないこと”でした。


