大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの作品を紹介。ここでは、ギターと出合って始まる友情バンド物語、『THE BAND』について語ります。

THEA LFEE高見沢さん
THE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんがイチオシ漫画を紹介!

ギターと出合って始まる友情バンド物語

THE BAND』ハロルド作石/著 講談社刊 ①~③巻 

小学生の頃、初めて行ったライブに衝撃を受けた新木友平は、中学生になり、三日月形の変わったギターを手に入れる。音楽好きの友人・マタローと再会し、バンドを組むことになるのだが…。

THE BAND(1) (KCデラックス)

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このコミックのいちばんの魅力は、音楽に出合った瞬間の衝動から始まる物語を、とても丁寧に描いている点です。

友平が幼い頃、初めてライブを観て感じた「自分にもできるかもしれない」という直感が、特別な才能の目覚めではなく、もっと曖昧(あいまい)で根拠のない、しかし、心を動かす感情として描かれていて、自分の音楽人生と照らし合わせ、とても興味深く読めました。

青春期、夢をもってしまったがゆえに生まれる迷い、焦り、不安を追いながら、音楽が好きなだけではものたりない現実。仲間との距離感、自らの実力不足など、夢と現実の間に立たされる感覚が、自分によく似ていました。

バンド活動が、単なる題材ではなく、生き方そのものとして、描かれているのも印象的です。カワイのムーンサルトというギターにもニヤッとしました。

主軸はなにかに本気で憧れてしまった人間の物語で、今は上手く弾けなくてもギターに惹(ひ)かれてしまうという、どうしようもなさを肯定してくれるコミックなのです。続きが楽しみなコミックが、またひとつ増えました。