50年のひとり暮らし、後悔はなし

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身寄りのない「完全無欠の独り者」である私は、孤独などにさいなまれているかといえば、そうでもありません。

数年前コロナ禍で難儀した折も、都や自治体の支援を受けながら、なんとかきり抜けました。ただし昨年骨折して手術をした際は、完治が遅れたためかさんだ計5万円以上という介護タクシー代や、その後の通院のためのタクシー費用の捻出などに悩まされました。

また長期入院中に滞った銀行振り込みや、住居の事務手続きなどを回る足がなくて困りました。それは近隣とさえ交流がないため陥った危機であり、ここで初めて、私には気軽に頼れる人がいないという厳しい現況に直面しました。

遠地に住む知人に急場を訴えると、幸いにも遠路クルマで駆けつけてもらえました。そんなときは人の温かさがどれほどかありがたく思われるものです。そんなふうに謹んで人に頼ることや、ない知恵も絞って乗り越えてみようと自分を励ますことなど、生きる上の現実的な苦難に挑戦してみることこそ大事であるように思えます。

そんなわけでひとり暮らしを始めて以来、あと戻りすることも後悔することもなく、76歳まで貫いてきました。大事なのはこれからであって、さらなる老いに向かう今後は、悪戦苦闘の日々が待ち構えているのかもしれません。なんとか衰えていく知恵を磨きながら、笑いの多い月日を過ごしたいと願っています。