フランスでは子どもは基本的に18歳で家から巣立ち、親と生活を共にすることはないそう。「3人兄弟の末っ子がやっと巣立ってよかったと思いつつ、じつは子どもがいた頃の生活に未練があったことに気がついた」と話すのは、フランス文化研究者でフランス人の夫とふたり、今は日本で暮らすペレ信子さん(50代)。そんななか、最近やっと捨てることができたフライパンがある一方、捨てられないフライパンもあったとか。その理由について語ります。
すべての画像を見る(全5枚)片付けは得意な方だと思っていた
家で料理教室やフランス語教師室をしたり、ディナーやランチに人を招くので来客が多い家であるにもかかわらず、よく「信子さんの家はいつも片付いていますね」と言われます。
自分でも片付け上手、整理上手なのだと思っていたのですが、最近自分の変化に気がつきました。
3人の子育て中は洋服や必要な品物を整理したり手放したりと、循環させることが得意でした。コロナ禍前は、季節のフランス家庭料理とテーブルコーディネート教室も頻繁(ひんぱん)にしていたのでインテリアもよく変えていました。
ところがコロナ禍になり、家でレッスンすることが難しくなりました。その後、オンラインレッスンへ移行したり、子ども達も成長して巣立っていくなかで、少しずつなにかが変わっていったのだと思います。
インテリアを見直す頻度が減り、家を「他人の目」で見る機会が少なくなって。そして最近、なんだか家にものが多いと感じるようになってきました。
夫とふたり、料理は大皿料理から腹八分目の大人の料理へ
子どもが3人いると、毎日の家事の中心は食事の準備になります。とにかく、食べさせて元気でいてもらわないと。食品の買い出しと料理に多くの時間を割いていました。
子どもが学校から帰ってきてから夕飯が終わるまでは、今日の学校での出来事を聞きつつ、フライパンでなにかを炒め、鍋でなにかを煮込み、お皿を並べて…。そんな毎日でした。
とても目まぐるしかったのですが、今になるとその時間がとても愛おしく、恋しいです。
最近の夫との食事は、食べ盛りの子どもが3人いた頃とは随分変わりました。大量のパスタや、ジャガイモのグラタンのようなものをつくることがなくなり、少量のお魚、肉を焼いてサラダや野菜を添える、という感じになりました。
毎日活躍していた直径32cmのフライパンは、末っ子が巣立ってから1回も使っていないことにじつは最近気がついたのです。


