晩婚や高齢出産をする人も増える昨今、「教育資金と老後資金、どっちを優先して貯めるか問題」に悩む人も多いのではないでしょうか? 加熱化する中学受験に始まり、大学進学までを考えると、一体いくら必要になるのか…。自身も中学生と小学生の子どもを育てる働く母親であり、数々の著書も執筆するファイナンシャルプランナーの塚越菜々子さんに、この大きな課題を解決するヒントを教えてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)子どもを「産み終わる」タイミングが重要
子どもの将来のための「教育資金」と、自分たちのための「老後資金」。子育て世帯にとって、どちらを優先して貯めるべきかは悩ましい問題。家庭によってそれぞれ優先順位はあるなかで、判断基準のひとつとなるのが「子どもを産み終わるタイミング」と、塚越さんは言います。
「20代のうちに子どもを産み終わっていない場合は、老後資金優先で貯めることをおすすめします。というのも、子どもが大学を出るまで経済的に支援するとなると、だいたい23歳くらい。では、仮に30歳で出産していたら、子どもが23歳になるのは53歳です。今は40代前後で出産される人も多く、たとえば、37歳で産んだとすると、そこから23年経つと60代に。『子育てが終わった! さぁ老後資金を貯めるぞ』と思っても、老後までのカウントダウンはすでに始まっている、という事態になります」(塚越さん、以下同)
60歳というと、定年を迎える年齢。最近は雇用形態を変えて長く働くこともできるようになってきたものの、塚越さんによると、今でも60歳で定年になる会社は72%にものぼるそう。また、再雇用制度で働き続けることはできても、収入はダウンするケースが多いといいます。
●老後資金はローンが組めない!
教育資金と老後資金の大きな違いは、老後資金はローンが組めないということ、と塚越さん。
「教育資金の場合、もしそのときたりなければ、子どもが奨学金をもらうという選択肢も用意されていますし、親が教育ローンなどでとりあえず用立てることも可能です。しかし、65歳になって、すっからかんになって『だれかお金を貸してください』と言ったところで、“老後ローン”って聞いたことないですよね。そう考えると、教育資金だけに一生懸命になってしまい、貯金を使い果たすのは危険といえます」
