建築士のHimiさん(36歳)は、パートナーのトマさんとフランス・パリで暮らすライフスタイルをYouTubeで発信中。異国の地での暮らしや、トマさんとの愛情あふれる日常、そして生後8か月の愛息子の育児の様子が、多くの視聴者に人気です。ここでは、パリのステキな街並みの秘密と、屋根裏部屋での生活の様子を紹介してくれました。

※ この記事は『“ちゃんとしなきゃ”を手放せる心地いい毎日 パリ暮らし始めました』(KADOKAWA刊)より一部抜粋、再構成の上作成しています

パリの屋根裏部屋
フランスで初めて暮らしたのは、彼がもっていた屋根裏部屋
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じつは規制がいっぱい?魅力的なパリの街並み

DIYのソファベッド
屋根裏部屋で使っていたDIYのソファベッド。蚤の市で見つけたパッチワークキルトのカバーがお気に入り

皆さんが抱くパリのイメージというと、どのような風景ですか? エッフェル塔、凱旋門、モンサンミッシェル、ノートルダム大聖堂…おそらくこのような名所旧跡を除けば、石づくりの建物の街並みではないでしょうか。

それらは博物館や歴史ある名建築のような特別な建物というよりは、どれも普通に人々が暮らしている一般的な住宅なんです。でも、なぜか映画のなかのようなステキな風景に見えると思いませんか?

世界一の観光都市であるパリでは街並みの美観をとりたてて大切にしていて、通りから見える建物の外観にはエアコンの室外機を設置したり、洗濯物を干したりすることは禁止されています。日本人からすると「エアコンがなくて大丈夫なの?」と思ってしまうのですが、湿度の低いフランスの避暑方法といえば、窓を閉めること! 朝、太陽がのぼる前に光を遮って、部屋が暑くなる前に窓を閉めてしまえば、室内の気温の上昇を防ぐことができるのです。

先日、6月末にもかかわらず最高気温が39度を記録した猛暑日のパリで、私たちのアパルトマンの室温は31度にもなりました。そのときはさすがに、窓を閉めるだけでは涼しくならず、冷たいシャワーに何度も入って身体の熱を冷ましました。

パリの窓辺といえば、アイアンの飾り手すりにプランターを引っかけるのが、定番の使われ方。春になるとホームセンターの植物コーナーは、ハーブや花の苗を買い求める人でいっぱいになります。

また、虫の少ないパリでは、窓に網戸がありません。向かいのアパルトマンのカップルは、夏にはほぼ裸のような姿で生活していて、網戸がないのでよく見えてしまいます(笑)。彼女にキスをする姿がそれはそれはアンニュイで……。

そんなわけで、パリの街を歩いていると、窓辺の植物越しに室内の様子がほんの少し感じられ、まるで映画のなかでだれかの生活をながめているような風景が生まれているのです。