自由気ままなひとり暮らし。ひとりの時間を楽しんではいても、ときには気のおけない仲間と思いっきり話をしたくなる日もあるのではないでしょうか。著述家の中道あんさんもそのひとり。今回は、「人の集まる家をつくって気が合う仲間を招くことで、生きる活力をもらっています」と語る中道あんさんに、60代からの人づき合いについて教えてもらいました。
すべての画像を見る(全2枚)60代ひとり暮らしは、人を招いて「生きる活力」を得る
62歳になりました。この1年はひとり暮らしのための住まいを探し、新年早々おひとりさま生活を開始。寂しくなると思いきや、ホームシックにすらなっていません。前に住んでいた家には一度も帰ってはいないのですから、あっさりしたものです。
それよりも今は、「ひとり暮らしをしたら、人が集まる家にしたい」という願いを少しずつかなえているところです。
その理由は、気が合う仲間と料理や趣味、深い話を楽しむことで、自分が満たされ、またがんばれる力を得られるから。つまり、明日を生きるための活力とも言えるでしょう。
慣れないうちにしてしまった、思わぬ失敗談
初めてのゲストは、幼なじみ。ソウルフードの「小田巻蒸し」を食べてもらおうとはりきってつくったのに、卵液の割合をしくじって痛恨の失敗。
あり得ない失敗にいちばん驚いたのは自分自身でした。ちょっと緊張しちゃったのかも…。
その次にわが家に訪れたのは、妹夫婦。卓上電気焼き鳥器で、こんがりと串刺しの鶏モモ肉を焼いて、食卓は大いに盛り上がりました。
けれど、ひとり暮らしになってそろえた焼き鳥器の使い方をよくわかっていなかったせいで、受け皿に落ちた鶏肉の脂が電気ヒーターに引火して煙がモクモクと立ち上がってしまいました。びっくりしている間に火災警報器がピーピーと鳴り響き、パニックに。
あの一件は、「ひとりだったらどうしていただろう」と、思い出すたびに冷や汗が出ます。このように、ちょくちょく失敗してしまうホストです。
家を出た娘や遠方の友人が訪れることも
私が家を出る少し前に、パートナーと同棲を始めた娘。たまに彼と一緒にごはんを食べに来てくれます。
その食べっぷりが気持ちよくて、「胃袋をつかむ快感」が再燃。若い人と一緒に過ごすと、60代は元気をもらえるもの。週1で来て欲しいと思っちゃう。
また、なんの変哲もない住まいですが、府外から友人たちが遊びに来てくれることも。
というのもアクセスがわりといい。大阪空港から電車で最寄り駅まで30分、新幹線の新大阪駅から4分、という立地のよさがお気に入りです。
前の家も人を招くことのハードルは低かったのですが、いかんせんアクセスが悪すぎる。「うちに来て」と、気軽には言い出しにくい立地にありました。なので、ひとり暮らしするなら、全国から人が集まれる場所に住みたかったのです。