67歳の母と92歳の祖母の暮らしを映したYouTubeチャンネル「Kuro-北国の暮らし」で人気のkuroさん。kuroさんの祖母は92歳の現在もひとり暮らしを続けています。そんな祖母の健康の秘訣について迫りました。ここでは、毎日少しずつ続けているストレッチの様子をご紹介します。

ストレッチ
室内で工夫して気軽にサッとストレッチ。(『北国の暮らし 今を豊かに生きる家しごと庭しごと』(KADOKAWA刊)より。撮影:亀畑清隆)
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庭の散歩や室内でのちょこちょこ運動。こまめに体を動かします

YouTubeの動画では、庭を歩く私の姿がよく映っていますが、雪が積もっている冬や雨の日以外は、毎日庭に出るようにしています。以前のように速く歩くのは難しくなってきました。

杖は苦手です。いつか雪の日でしたが、ふらついた足が杖に触れて、2〜3メートルも杖が飛んでいってしまったことがあったのです。近くに人がいたら大変な事故になっていたかもしれず、あのときは本当に肝を冷やしました。

それ以後、杖は使わないことにしました。転ばないように一歩一歩気をつけながら歩くようにしています。庭に出るときは、ポケットの中にレコーダーを忍ばせています。虫の声や鳥の鳴き声、風が草木を揺らす音を録音して、家に帰ってから聞きます。

あのとき私だけが聞いた音を、時間を経て聞けるなんて、とてもすてきでしょう! ささやかだけど、日常への愛おしさが増していきます。

庭を散歩する楽しみ

娘がつくっている庭の変化を見るのも、庭を散歩するときの楽しみのひとつです。娘の花の選び方はセンスがあるなぁといつも感心します。娘が庭で作業をしているとき、ちょっとおしゃべりするのも楽しみです。

空の下だと気持ちいいです。疲れたら、木陰に置いてあるベンチに腰かけて、庭をながめるのですが、目線が変わると、また違う発見があります。

庭はどのゾーンもそれぞれによさがあるので、お気に入りの場所をひとつに絞るなんて私にはできません。なにも手を加えていないからこそのよさがあるのではないでしょうか。庭を散歩するたびにそう思うのです。

毎日面倒くさがらずにからだを動かしてみる

日常生活の中では、体をなるべく動かすようにしています。

少しお行儀が悪いかもしれないけれど、ソファの肘掛けに片足を乗せて股関節を伸ばす運動や、キッチンの流し台を使っての腕立て伏せ10回などは、思いついたときにサッとできるので継続しています。

ストレッチ
座っているときもその場で足踏み。(『北国の暮らし 今を豊かに生きる家しごと庭しごと』(KADOKAWA刊)より。撮影:亀畑清隆)

背伸びは壁や柱に頭と背中をぴったりつけて行います。つま先立ちと前屈も行います。それに全身の骨が丈夫になるというかかと落としを30回ほど毎日続けています。

座っているときは、強めに足踏みして脚に刺激を与えます。夜、ふとんの上では足を上げたり下げたり横倒ししたり、ベッドの頭の上の柵に手をかけて寝ながら懸垂したり、自分流に考えながら全身を動かすようにしています。

入浴中は、町のいきいき脳元気教室で習ったパタカラ体操(口と舌を鍛える運動)などを続けています。場所をとる健康器具は処分しました。

毎日、できるだけからだを動かすこと、面倒くさがらないことが元気の秘訣です。わざわざ時間をつくって運動するよりも、ちょっとあいた時間に、ついで感覚で運動する方が私には合っています。