そろそろ暖かい日も増えてきて、冬物をしまって春物を出す衣替えをするタイミングになりました。けれど、つい怠りがちなのが、冬物をしまう前のひと手間。冬物をしまう前の洗濯は、しっかりと汚れを落としてからしまう「しまい洗い」が必要。でも、どうやって洗えばいい? LIONのお洗濯マイスターの大貫和泉さんに教えていただきました。
すべての画像を見る(全4枚)衣替え時の「しまい洗い」は全部の冬物に必要?
コートやダウンジャケット、セーターなどの冬物をしまう前には一旦、丁寧に洗うことが大切。とはいえ、冬の間、数回しか着ていないものも、洗濯せずにしまうのはNGです。
理由は、数回しか着ていない冬物衣類でも、洗わずにしまうと収納後に黄ばみやニオイが発生する可能性があるから。これらの主な原因は、衣類に残っている汗や皮脂汚れです。また、食べこぼしのシミをそのままにして収納すると、衣類が虫食いに遭いやすくなります。
一度でも袖をとおした服は、衣替えの前にしっかりと汚れを落とす『しまい洗い』をして、家庭で洗濯できないものはクリーニングに出してから収納しましょう。
【衣類別】冬物の「しまい洗い」のポイント
「しまい洗い」のポイントを冬物衣類の種類別に見ていきましょう。
いずれの衣類も、まず洗濯表示を確認し、家で洗えるかどうかを確認しましょう。水洗い可能のマークがついていれば、自宅で洗濯ができます。また洗剤はいずれもおしゃれ着用洗剤がおすすめです。
●セーター
セーターは首元など、汚れが目立つ部分は前処理としておしゃれ着用洗剤の原液をつけ、キャップの底などを使って軽くたたき、なじませてから洗います。手洗いでやさしく押し洗いするか、洗濯ネットに入れ、洗濯機の弱水流コース(手洗いコース・おしゃれ着用コース・ドライコースなど)で洗いましょう。洗濯で使用する洗剤量は、前処理で使用した洗剤量を差し引いた量で大丈夫です。
いずれも型くずれや縮みに注意を。手洗いの場合、水中でこすったりもんだりすると、繊維が互いにからみ合って縮むことがあります。洗濯機の場合、標準コースで洗うと縮むことがあります。また水の温度が高いと色落ちする恐れもあるので気をつけてください。30℃以下がおすすめです。
洗濯後は、全体やエリ、袖口の形を整えてから平干しするか、竿に半分に折るなど重さを分散させて日陰に干すのがいいでしょう。
●コート・ダウンジャケット
コートやダウンジャケット洗濯表示を確認し、「中性」の表示があればおしゃれ着用洗剤を使います。それ以外でも大切な衣類は型くずれ防止効果のあるおしゃれ着用洗剤が向いています。セーター同様、汚れが目立つ箇所は前処理をしてから洗います。
コートは型くずれ防止のため、洗濯ネットに入れて洗濯機で洗いましょう。洗濯後は、シワを伸ばして形を整え、コートの肩幅に合った厚みのあるハンガーにかけて、日陰に干します。
ダウンジャケットは、洗濯機で洗うと、ダウンジャケットが水に浮いたまま洗濯が終了し、汚れが十分に落ちないことがあるので、手洗いがおすすめです。
大きくて洗濯桶や洗面台で洗いにくい場合は、洗濯機の洗濯槽を利用することもできます。優しく手で押し洗いし、洗濯機の弱水流コースで1分程度脱水し、再度水をためてダウンジャケットを上下させてすすぎます。最後の脱水が終わったらハンガーにつるして陰干しし、表面がある程度乾いてきたら、両手で軽くたたきながら中の羽毛をほぐします。
●マフラー
たたんで洗濯ネットに入れ、おしゃれ着用洗剤を使用し、洗濯ネットに入れ、手洗いまたは洗濯機の弱水流コースで優しく洗うことをおすすめします。ファンデーションなどの汚れが気になる場合は、おしゃれ着用洗剤の原液を塗布してから、洗濯ネットに入れましょう。
洗濯後は、洗濯機で1分程度脱水した後に、形を整えフリンジの絡まりを解いてから陰干します。ニット素材は伸びやすいので、平干しするようにしてください。
●冬物パンツ・スカート
目立つ汚れがある場合は、おしゃれ着用洗剤の原液を直接塗布。洗濯ネットの大きさに合わせて、パンツは3~4回折り、スカートは2~4回折りにしてネットに入れます。洗濯機の弱水流コースまたは手洗いで優しく洗います。
洗濯じわや型くずれを防ぐために、長時間の脱水は避けましょう。洗濯後は、パンツやスカートの形を保ち、早く乾かすために、角ハンガーなどを用いて筒状にして陰干しします。