映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で、“きこえる世界”と“きこえない世界”を行き来しながら生きる、コーダの主人公を演じた吉沢 亮さん。「生きるうえで大切なことを学んだ」という、本作への思いを伺いました

吉沢亮さん
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すべてのシーンに思い入れがある

吉沢亮さん
そこに生きる、ひとりの人間として演じたかった

「登場人物たちがみんな愛おしくて、どこかかわいらしくもあって。普遍的な家族の愛を描いた、ナチュラルな時間の流れる素敵な話だとあらためて思いました」主人公・大を演じた映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』を観た感想を、吉沢亮さんはそう話してくれました。

大は、耳のきこえない両親のもとに生まれ、自身は耳のきこえる子ども「コーダ」として育った青年。母を守りたいと思いながら、ときに母を傷つけてしまう彼の葛藤が繊細に描かれています。

すべてのシーンに思い入れがある、という吉沢さんですが、あえてひとつ挙げるなら、受験に失敗した大が母親にいら立ちをぶつける場面なのだそう。

「僕はそれほど反抗期が激しかったわけではありませんが、親に言いたいけど言えない…というモヤモヤがたまって爆発してしまう気持ちはよくわかりました。そのシーンでは、大が感情的になるあまり、手話と話す言葉が混じってしまうんです。監修のコーダの方にも、実際にそういうことがあり得るのか相談しながらつくったシーンなので、とくに印象に残っています」