心に残る文章を書くコツ1:数字を使う

あなたが好きな感動的な映画を、自分以外の人におすすめするとき、どう伝えますか?

「映画よかったよー。感動できるからぜひ、観て! 観て!」
…これでも間違いではありません。では、このように伝えたらどうでしょう?

「この映画は、私が人生で一番感動したドキュメンタリー。1週間で3回も観ちゃったほど!」
…どうですか? 短期間に繰り返し観たくなる映画ってどんな内容か気になりますよね。

これこそが「犯人しか知らない言葉」です。数字を使うことでネタバレしなくても「すごい映画」であることが伝わってきて、興味がそそられます。

ちなみにさとゆみさんは「飽きっぽい性格」であることを説明するために「先日、大掃除をしたら家にNHKラジオ英会話の4月号だけが8年分ありました」と言っているそうです。「飽きる」というワードを直接使わなくても、状況から飽き性なのが十分伝わってきますよね。

心に残る文章を書くコツ2:五感を使って得た情報を伝える

次に、五感をフルに使って表現をしてみましょう。目で見た情報(視覚)だけでなく、聴覚、触覚、嗅覚、味覚を織り込むと臨場感がアップし、読者は書き手と一緒に体感したような気持ちになります。

では、ここで問題。会社に盛況だったイベントの報告をするとき、あなたはどう伝えますか?

「イベントは、すごく盛り上がって大盛況でした!」
…これでも間違いではありません。では、このように伝えたらどうでしょう?

「質疑応答の時間、20人ぐらいの手がサッと挙がったんですよ。しかも一斉に!」
「どっかんどっかん笑いが起こって、会議室が揺れたように感じました」
…情景が目に浮かびますよね? そのとき五感で感じた音を、表現することで臨場感がある文章になります。

心に残る文章を書くコツ3:「オンリー」という言葉を効果的に使う

そして、「たったひとつ」、「唯一」の経験を加えると特別感が増します。「最後/最初」といった最上級の言葉を入れるのも効果的です。
たとえば、こんな表現です。

「読書が苦手な私が、生まれて初めて最後まで読めた本です」
…読みやすそう。本が苦手な私でも読んでみようかな? と思いませんか?

「これは、普段なにを食べても反応しない夫が唯一、『これ、どこのふりかけ?』と聞いてきたふりかけです」
…どうです? このふりかけ、どんな味か気になり、食べてみたくなりますよね。

ちなみに「オンリー」を使うときは、ほかのものを貶める必要はありません。たとえば「私、K-POPは超苦手なんだけど、このグループの曲は聴けるんだよね」という具合です。K-POPファンの人が読んだら、ちょっとがっかりしてしまうかもしれません。不特定多数人が目にするSNSのような場で書くときには、とくに注意しましょう。

いい文章は、人の心を動かす

「書くことのゴールは、自分以外のだれかの態度や考えを変えること。読んだ人の心を動かすこと。だれかを変えることが、文章を書くことのゴールです。文章が書けるとSNSで集客ができるし、仕事でも信頼されます」とさとゆみさん。

なお、今回紹介した3つのコツのほかにも人の気持ちを動かす文章を書くには、「気持ちを書くのではなく、どんなことがあったか事実を書く」、「実行した結果を伝える」、「初対面の人から話を引き出すには『徹子で触って、タモリで脱がせる作戦』がいい」などいくつもあるそう。すぐにまねできそうなものから取り入れてみてください。

ヒットメーカーのさとゆみさんらしく、どれもキャッチーなコピーで気になるコツばかり。詳しくはさとゆみさんの著書『書く仕事がしたい』『本を出したい』にも紹介されていますので、気になる人はチェックしてくださいね。

本を出したい

本を出したい

Amazonで見る
書く仕事がしたい

書く仕事がしたい

Amazonで見る