その水分量は、本当に必要?

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さきほどの食事内容で一点気になったのは、水を2L飲んでいることです。本当にこの量が自分に必要なのかは、見極める必要があります。テレビで見ただれかにとってよかったことが、あなたにも当てはまるとは限りません。体が求める以上に飲んでいれば、単純にむくみ、体重に表れている可能性も考えられます。

水は、口から入ると「脾(ひ)」「胃」を通過して「腎」「膀胱(ぼうこう)」で処理され、不要物はおしっことなって排出されるという流れで、常に内臓に負担がかかります。その量が増えれば増えるほど、臓器は疲弊します。六腑の「腸」は老廃物を排出する役割を果たしますが、大量の水を日々摂取し続けたことによって疲弊し、その排出機能が低下したため、うまく排出されなかった水分が体にたまって太った、ということも考えられます。

中医学で『「脾」は湿を悪(にく)む』という言葉があるのですが、これは、水分をたくさん摂ると「脾」は弱る、という意味。水をたくさん飲みすぎて下痢をした、という状況は想像しやすいでしょう。「脾」の機能が低下すると、食べものの消化・吸収がうまくいかなくなりますから、必要なエネルギーはつくれないうえ、不要物を溜め込むことにもなりかねません。

昨今では、「高齢になったらタンパク質を積極的に摂りましょう」と盛んに言われています。たしかにそのとおりですが、摂取したタンパク質をきちんと消化・吸収できる「脾」「胃」の状態に保っておくことが、まず、大切です。少なくとも50代ぐらいまでは「脾」「胃」に負担をかけない食養生を意識することをおすすめします。

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