「がん」になったときに気になるお金のこと。病気になってからできる備えも

がんになったときに病状とともに気がかりなのが「お金」こと。もし自分や家族ががんだと分かったときに利用できる制度など、備えておきたいことについてご紹介します。監修は一般社団法人がんライフアドバイザー協会代表理事・川崎由華さんです。

「がん」だとわかったときに備えておきたいお金とは？（※画像はイメージです）

「がん」だとわかったときに備えておきたいお金のこと

医療費など、負担しなければならない費用がわかったら、負担を軽減する方法がないか確認を。自ら申請する必要があります。

＜「がん相談支援センター」でだれでも相談が可能＞

治療の内容や入院期間を聞き、医療費の見通しを立てましょう。病院の医療ソーシャルワーカーに相談できるほか、全国の「がん診療連携拠点病院」には「がん相談支援センター」が設置されており、病気についてだけでなく、費用についても相談できます。だれでも無料・匿名で利用が可能です。

保険の種類と高額療養費の付加給付

＜加入している健康保険組合によっては、さらなる給付が＞

「高額療養費制度」のほか、加入している健康保険などによって付加給付を受けられることがあります。利用できる制度がないか、加入している保険と付加給付の種類を調べましょう。保険証に記載されている加入先に問い合わせるか、企業に勤めている方は社内担当者も相談先のひとつです。

生命保険に加入している場合は、給付金・保険金の支払い条件や支払われるまでの流れと期間の確認を。請求受け付けから審査、支払いまでの期間は保険会社によってさまざまですが、1か月前後かかります。審査には書類の提出が必要となることもあるので、手続き方法もチェックしておきましょう。

利用できる社会保障保証制度を上手に活用することで、負担を減らすことができます。

がんによって日常生活や働くことに支障が出て1年6か月以上が経過した場合は、障害年金が適用される可能性があります。手術で体の機能が変わったり、抗がん剤など化学療法によるしびれや痛みといった副作用など、がんとの因果関係が認められると、支給されることも。

会社員や公務員で健康保険に加入している人は、病気やけがによって就労できなくなったときに、おおよその給与の2／3の金額を通算で1年6か月の間、受給することができます。がんによる療養・休職が必要な場合にも利用でき、条件によっては退職後に残期間の受給が可能。

＜非正規雇用でも制度を利用できることもあります＞

傷病手当金は正規雇用か非正規雇用かを問わず、健康保険に加入していれば利用することができます（国民健康保険を除く）。また、2022年10月以降は非正規雇用者の社会保険加入要件が緩和されたので、加入・給付対象かどうかを確認してみましょう。