日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「私は妻ではなく、お母さんになっちゃったんです」と振り返るのは主婦の幸恵さん(仮名・49歳)です。単身赴任先で事故を起こした夫が帰ってきて、また一緒に暮らすことになりましたが、今度は夫と娘の関係が悪化。今年の春に「離婚」をすることになるまでの顛末を伺いました。
すべての画像を見る(全4枚)「これ以上私の人生に介入しないで」
夫婦生活がこじれた状態で単身赴任生活をしていた夫ですが、ある日、精神的に疲れて仕事中に事故を起こしてしまいました。思わぬタイミングで自宅へ帰ってくることになったものの、夫の「ごはんをつくってもらえる」という希望で、完全別居ではなく家庭内別居に。
「私の親とか兄は『まぁ、長い人生、心が風邪を引くこともあるよね。生きていればまた人生を立て直せるよ』っていう話をしてきたんですけれど、向こうの親は『そんな仕事は堂々と辞めてしまえ』って。その後の生活はどう工面するんですか? って思ったけれど、私に頼れっていう意味なのかなと思って、深堀りせずに聞き流しました」と幸恵さん。
そして肝心の本人は、毎日家でゲームばかり。
「あれだけ人様に迷惑をかけたら、関係者に『すみませんでした』とか『ありがとうございました』という連絡を入れますよね。私が促しても『幸恵から連絡入れといてよ』って頼まれてしまう始末。あきれて、これ以上、私の人生に介入しないでほしいとさえ思いました」
通院の最後に医師から言われた言葉
幸い夫のメンタル面はすぐに回復し、通院や服薬も短い期間ですみました。その都度、つき添っていた幸恵さんでしたが、最後の通院日、医師から言われたのは「言動が一貫して幼稚だよね」という一言。
「もう私のなかでは、娘が自立するまでの我慢。娘のために家庭を維持しているだけ。そう割りきっていました。レス解消だなんて、もってのほか。触りたくないし、話をするのも嫌。けれども娘のために父親でいて欲しい。そう願っていたからこその選択です」