予定より早く離婚することになった理由
すべての画像を見る(全4枚)しかし娘が大学を卒業するまでは…とがんばり続けた幸恵さんでしたが、あと2年というタイミングで、離婚を前倒しすることになったそう。
「私が夫との離婚を我慢していたのは、娘にとってはよきパパだと思っていたからです。しかし、あの事故から自宅へと戻ってきた夫は、娘に対しての振る舞いも変わってしまって…」とうつむく幸恵さん。なんでもお嬢さんは幼いころから習っていたバイオリンの腕をめきめきと挙げて、大学は私立の音大へと進んだのだそう。それが夫には気に食わなかった様子だというのです。
「娘に対して『本当はパパの年収じゃお前をあんなにお金がかかる大学なんて行かせられないんだよ。パパが働けなくなって大変だ! っていうときに、お金ばっかり使って。本気で行きたいなら奨学金を使って欲しかった』を言ったらしいんです。それで娘はずっと両親は自分のことを応援してくれている存在だと思ってがんばってきたのが、夫に全否定されて気持ちがきれてしまったというんです。泣きながら私にその話をしてきて、もうガンって落とされた感じ。終わったなと思って、すぐに離婚を決断しました」
第二の人生は自分へのご褒美タイム
そんな幸恵さん、実は離婚を決断した背景には昨年の人事異動も大きく影響したといいます。
「入社した当時から、私は暇さえあれば勉強をして、仕事に関連するたくさんの資格を取りました。だからいつだってどこにいたって転職できるっていう自信もあったんです。そして去年、人事から関連会社への出向を言い渡されて、待遇がグンとよくなりました。別に地位や名誉がほしくてがんばっていたわけじゃないけれど、それなりのポジションとお金を得ることができたし、仕事上も今まで以上に自由に自分の力が発揮できる環境が用意されて、報われた気持ちになりました。娘も大学を卒業したら、独り立ちして欲しいなと思っています。もし進学を希望するというなら全面的にバックアップするし、私一人でもその用意ができることになったのが大きかったですね」
あと数年は猶予があると思っていたのに、突然離婚時期が前倒しになった夫がどのような反応をしていたのかに聞いてみました。
「もう家の中では触れるどころか、会話もない状態が続いていました。家政婦のような扱いをされて、私が辛いときに助けてもらった記憶もありません。くさいものにフタをしながら生きてきた人に、私の人生を削り取られたくないです。割りきって淡々と事務手続きを続けている状態です」と幸恵さん。
「予想外の事故があって夫の評価が下がり、義理の両親は『離婚? 世間体が悪い』と騒いでいますが、親子で話し合ってくださいねって伝えて終わり。第二の人生は、キャリアをあきらめなかった自分のご褒美タイムだと思って、社会のためになるようないい仕事ができるようにさらにがんばりたいと思っています」