“甘やかされてきた”意識が変わった

足立洋子さん
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私も単純なものですね。でも、当時はまだまだ大きな寂しさのなかにいるときで、先のことなんて考えも浮かばない頃。カーナビという存在が、私に小さな力を与えてくれたことは確かなのです。

“甘やかされてきた”わたしの意識が確実に変わりました。夫を失ってから初めて、ひとりで生きていくことを覚悟した瞬間が、このときでした。と同時に、夫が亡くなったという事実を、ようやく自分が受け入れた、初めての瞬間でもあったように思います。

そうやって、日常に転がるささいな発見のかけらから、夫のいない現実を自覚し、夫のいない寂しさを少しずつ克服していったように思います。

料理家・足立洋子さんの食や暮らしの工夫をつづった『さあ、なに食べよう? 70代の台所』(扶桑社刊)には、家族を亡くしたあとに前を向く方法、「70代の壁」を明るく乗りきるアイデアが満載です。

さあ、なに食べよう? 70代の台所

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