高い買い物をしているわけでもないのに、家計簿を確認すると支出がたくさん…といった経験はありませんか? 「片づけを通して暮らしを見つめ直すことにもなりました」と語るのは整理収納アドバイザーの原田さよさん(60歳)。片づけがきっかけで「お金の使い方」が上手になった理由を教えてもらいました。
50歳で家の中を片づけたら家計も人生も変わりました
すべての画像を見る(全3枚)原田さんには重い障害のある息子さんがいました。原田さんとご主人はもちろん、妹である娘さんや義理のお母さんもいっしょに家族全員で支え、育んできましたが、「2013年の春に、亡くなってしまったんです」。
大きな衝撃と悲しみがご家族を包みました。しかしこの出来事が大きな転機となったのです。
●息子の遺品整理をしたことで、頭の中も整理されて
「亡くなった直後から、少しずつ遺品の整理を始めました。周囲からは、まだ早い、そんなに急ぐことはない、という声もあったんですけど…。体を動かしてなにかせずにはいられませんでした。片づけを続けるうちに、家の中のあちこちが気になり始めて、結果的に家じゅうを整理し直すことになったんです」
片づけが進むにつれて頭の中も整理され、ものの持ち方もお金の使い方も、どんどん変わっていったといいます。
「若い頃、証券会社に勤めていたので、お金にまつわる知識はあるつもりでした。でも、だからといって、日々の家計で賢いお金の使い方ができていたかというと、必ずしもそうではなかったんです。息子が亡くなって生活は変わったし、片づけを通して暮らしを見つめ直すことにもなりました。その変化に合わせて、お金の使い方も整っていった気がします」
●原田さんのインテリアや暮らしの工夫
・子どもたちの思い出はダイニングの飾り棚にさりげなく
ダイニングの壁の小さな棚。愛らしいピノキオが座っています。「100円ショップで買った棚に、息子と娘の思い出の品を飾っています。いつも見えるところに置いておきたくて」
・50代で初めて個室をもったことで新しいことにも挑戦
かつて夫婦の寝室だった一部屋が、今は原田さんの個室です。「50代になって初めて、自分の部屋を持ちました。ブログを書いたり資格に挑戦したり、ここから新しいことが始まっています」
『ゆとりある日々を過ごしている人の素敵なお金の使い方 2024年度版』(扶桑社ムック)では、今回紹介した以外にも、自分らしいお金の使い方で幸せに暮らしている人たちを紹介。そのほか、年金のもらい方、老後の安心な住まいなど、プロのアドバイスも満載です。